威嚇しまくりだった青い瞳の野良猫「くうちゃん」。家猫になって1年後の感動的変化
くうは天性の甘え上手だった!?
そして、くうはロッケ以外の先住猫と一緒に寝ることも増えました。くうは天性の甘えん坊気質で、人、いえ、猫の懐に入るのが上手なのかもしれません。先住猫みんなに甘えて可愛がられて、どんどん甘えん坊になり、寝相もどんどん大胆になっています。
家猫生活1年。少し困った変化も
くうは、私と夫に撫でられるのも好きになり、今では「ニャー!」と鳴きながら駆け寄ってきて、ゴロンとお腹を見せて「撫でられ待ち」します。顔まわりをマッサージされるのも好きで、撫でるとニッコリ福顔になります。外猫時代は、近寄ると威嚇して猫パンチ……、あの当時とはまるで別猫です。今では私の手を枕にして寝ることもあります。一度枕にされると、しばらく動けません。 もうひとつ、困った変化というか悩みも生まれました。家猫になって間もない頃、くうは出したゴハンをなんでも完食していたのですが、だんだん味の好みが出てきて選り好みをするように。さらに、甘え上手なので、「お腹空いたよ~」「おやつほしい」と甘えられると、ついついおやつを上げてしまうことも……。太りすぎは健康によくないと意識して、しっかり運動もしているのですが、なぜかお腹がポンポコリンなのです。2025年は少しスリム化を意識しようと思っていますが、こればかりは私と夫がくうに甘えられても、我慢することが肝だと思っています。
先住猫にうれしい変化がありました
そして、家猫になって1年、くうの性格にも変化がありました。 最初はキャットウォーク(夫がDIYで作成)にあがっても怖がって立ち止まる超ビビりな慎重派でした。すると、怖がっているくうを心配した先住猫たちが駆け寄り、先導し始めたのです。猫がこんなにも仲間意識があって、年下の猫を助けることを知ってちょっと感動しました。そんな先住猫のスパルタ指導(笑)の成果があったからか、今ではキャットウォークにも猛ダッシュで駆け上がります。好奇心旺盛で、新しいオモチャを用意すると、家猫の中で誰よりも早く遊びます。 特にお気に入りの遊びは、夫が作った木登り体験のできる「登り棒(キャットタワー)」。カメラが追いつかないほどのスピードで駆け上がります。そして、登り棒の上でクルッと体を一回転させ、頭を下にして降りる、というしかも他の猫たちがしなかった神技まで披露! 通常、猫は登るのは得意ですが降りるのは苦手ですが、くうは降りるのも得意です。最初はアクティブな動きを見せるくうに、呆然としていた先住猫たちでしたが、影響を受けて真似するようになり、他の5匹も一緒に追いかけっこしたり、かくれんぼしたりと動き回るようになり、なんだかとても若返っているような気がします。 先住猫の中で最も仲良くなるのに時間がかかった年上女子のピーチともどんどん仲を深め、並んでニャルソックするのは日課になりました。我が家にいる猫の中でもピーチは唯一の女の子で、これまできょうだい猫のうしお以外、距離を取っていましたが、最近ではくうを毛づくいをすることも多くて、夫とびっくりしています。 外で暮らしていたくうが、家猫生活を始めて1年。怒り顔がどんどん穏やかなニッコリ顔になった大きな理由は、先住猫たちが優しく迎えてくれたおかげだと思っています。生まれた場所も性格も年齢も違う6匹の猫たちを見ていると、みんな無理せず、でもお互いを思いやりながら、いい距離を保ちながら、遊んだり、寄り添ったりしています。無駄に争うことなく、争ってもすぐに仲直りをする彼らの姿には、学ぶことが多いなと感じます。今年もそんな猫たちの姿をお伝えしていきたいと思っています。
中川 ちさ(ライター・愛玩動物飼養管理士)