「大江戸温泉が高級化路線」いったい何が変わったのか 西日本を中心に展開する「湯快リゾート」と統合
さらに夕食時に高級アイスクリームのハーゲンダッツがバイキングの食べ放題メニューとして提供されていたのには驚いた。原価的に問題ないのかと思い尋ねると、「お客様1人当たりの原価に均すと、そこまでの金額にならない。スケールを生かした食材・飲料の仕入れをコントロールできているのも我々の強みだ」(梅村氏)という。 こうして見ると、食事に関しては何も言うべきことがないように思われるが、梅村氏は次のように話す。「我々がTAOYAで提供しているオールインクルーシブサービスは、未完成だ。海外の高級リゾートのオールインクルーシブサービスは、複数のレストランで何回でも食べられるし、プールサイドなどでカクテル等のドリンクもすべて自由に飲める」。
そのレベルのサービスに近づけるならば、相当に単価を上げる必要があると思うが、「TAOYAの施設数が現状よりも増えると(現状は6施設)、スケールメリットを生かした、より完成したサービスを提供できる可能性がある」とする。 ■課題もあるがコスパはいい 実は、筆者が大きな課題だと感じたのは、これに関連する部分である。大江戸の各ブランドは、スタンダードシリーズが「普段使いの宿」、Premiumシリーズはワンランク上のちょっとしたぜいたくが味わえる宿、そしてTAOYAは「ゆったりと、たおやかに。」をコンセプトとした、大人が特別な日に利用するようなホテルを目指している。
だが、実際にTAOYAに泊まると、子どもが走り回っていたりするのを見かける。梅村氏は「TAOYAは、他社の同じ水準のサービスを提供しているホテルと比べると、コスパよくご利用いただけると自負している。だが、価格を抑えている分、ブランドごとのお客様のご利用シーンの棲み分け等が、きちんとできておらず、目指すブランドイメージと現実にギャップが生じている部分がある」とし、「今後、ブランド戦略をブラッシュアップする必要性は感じている」という。