「大江戸温泉が高級化路線」いったい何が変わったのか 西日本を中心に展開する「湯快リゾート」と統合
そして、「我々がベンチマークとすべきホテルチェーンはいくつかあるが、その中でブランド戦略が上手だと思うのが星野リゾートだ」と明かす。 星野リゾートは、若者をメインターゲットとするカジュアルホテルの「BEB(ベブ)」、都市型ホテルの「OMO(おも)」、温泉旅館の「界」、そして最上位ブランドの「星のや」と価格だけでなく、利用シーンごとのブランドの棲み分けをうまく行うなど、ブランド戦略に長けている。ただし、こうしたことをやるには、ブランド価値に見合ったスタッフの採用・育成なども不可欠であり、言うまでもなく一朝一夕にできることではない。
大江戸温泉物語は、さまざまな面でまだまだ伸び代があるブランドだと思う。しかし、間違いなく言えるのは、PremiumシリーズであれTAOYAであれ、現状、そこそこの値段で比較的満足度の高いサービスが受けられるという意味で、非常にコスパのいい宿だということだ。今後、どのようなブランドの方向性を目指すのか、企画・運営スタッフも頭を悩ませながら前へ進んでいる。
森川 天喜 :旅行・鉄道ジャーナリスト