「大江戸温泉が高級化路線」いったい何が変わったのか 西日本を中心に展開する「湯快リゾート」と統合
まず、大浴場やラウンジなどの共用施設について見ていく。大浴場は非常に清潔感があり、リニューアルに当たって「より開放的にした」(現地スタッフ)という露天風呂は、眼前に広がる海の景色を一望できるなど申し分なかった。 ラウンジではビールを含むドリンク類や高機能マッサージチェアなどが無料で楽しめるほか、屋外デッキに出ると海に溶け込むような「水盤デッキ」が設置されているなど、高級感を演出するつくりになっている。
一方でリニューアルが、やや中途半端に感じられるのが客室だ。全83室のうち、今回のリニューアルで17室を、これまでの和室タイプからベッドタイプ(高さの低いローベッド)の「和モダンルーム」に改装した。この和モダンルームは、各地で進めているPremiumシリーズへのリニューアルの大きな目玉だという。 「近年は年配のお客様でもご自宅でベッドで寝られる方が多い。また、これまでのように大人数で宿泊されるお客様を定常的に取り込んでいくのは難しく、和モダンルームは、今後のボリュームゾーンとなる2~3名で宿泊されるお客様をターゲットとしている」(梅村氏)
和モダンルームは好評だというが、逆にいうと、残りの大半の客室はこれまでの大江戸と同じ和室タイプのままである(3室はリニューアル前から洋室タイプ)。「限られた投資額で、より多くのお客様にリニューアルの価値を享受していただくためには共用施設部分を優先する必要があり、どうしても客室の改装は後回しにせざるをえない」(梅村氏)とのことだが、せっかくきれいな大浴場やラウンジでくつろいでも、客室に戻るとがっかりするというのが正直なところだ。
■バイキングにはご当地メニューが多く並ぶ 次に食事を見てみよう。元々、大江戸のバイキングは美味しいと定評があるが、Premium 伊勢志摩のバイキングで目を引いたのが、ご当地メニューの割合が多いことだ。郷土料理の「てこね寿司」や「伊勢志摩産あおさ海苔のかき揚げ」など、地元の食材を使った料理がバイキングに並んでいた。 「各施設で統一したメニューを提供したほうが、コストメリットが大きく、今まではその部分を重視してきた。だが、お客様が求めているのはその土地ならではのもの。我々の強みであるバイキングスタイルで食べても十分に満足いただける、ご当地メニューをしっかりと開発していきたい」(梅村氏)