「よりよい世界を見るため」のアイウエア、スペイン発パラフィナCEOインタビュー
■素材の品質とトレーサビリティーにこだわる
──素材はどこから調達し、どこで製品を生産しているのか教えてください。 サミュエル アイウエアの製造工程で使用できるようになるまで、それぞれの素材は長い研究とテストのプロセスを経ています。 私たちはアジアの何十もの素材サプライヤーを訪問しました。製造プロセスに対して最適であり、廃棄物の品質とトレーサビリティー(生産履歴の追跡)の認証をすべて備えた素材を見つけるまで、とことん探し続けたのです。 透明性を重視しているので正直に「廃棄物」と呼びますが、私たちが扱う素材の多くは、世界中の廃棄物が集まる東南アジアの埋め立て地から調達しています。 例えばPETは主にマレーシアから、アルミニウムとHDPEは中国から、ゴムは中東から購入。オーガニック素材の竹は、中国にある私たちのプランテーションで、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)を実践しながら栽培しています。 製造工程のほとんどは、原材料の近接性から中国で行われています。度重なる訪問を経て良好な関係を築いてきた、トップクラスの工場と提携。彼らはヨーロッパの工場よりも優れた基準を満たしていると感じるほどです。 ──意外な素材に感じますが、竹をアイウエアの素材に採用するメリットとは? サミュエル 竹のひとつの利点は、毎年植え直す必要がないこと。 竹は一部を切ると再び成長するため、完全に木を切り倒す必要がある他の種類の木とは異なる特性を持ちます。竹は木と野菜の中間に位置するため、一部を切り取っても成長を続けるのです。 竹を水平に切断する剪定(せんてい)方法を取り入れることで、竹をより強く頑丈に育て、継続的な成長を促しています。そのうえ竹の素材感は、コレクションにナチュラルな風合いと、軽量で快適な着用感をもたらします。 ──素材の調達における透明性の向上や、製品が及ぼす環境への影響の測定に対して取り組みはありますか? サミュエル 使用するすべての素材は認証を受けていますから、ごくシンプルです。私たちが採用する製造プロセスは、前述の通りアップサイクル技術。つまり廃棄された低品質の原材料から高品質なプロダクトを生産する技術であり、その工程は極めて透明性が高いものです。 製品が環境に与える影響については、スペインの専門企業と提携してカーボンフットプリント(原料調達から生産、流通、廃棄にいたるまでの過程で生じる温暖化ガス排出量を、CO2総排出量に換算して数値化する仕組み)や水の使用量などの測定を実施しています。本国サイト上で私たちの製品にアクセスしていただくと、環境へのインパクトが一目瞭然。従来の製法で生産された類似アイテムと比較したCO2削減量と水の節約量の情報が表示されています。 私たちはBコープ企業であり、社会的および環境的なパフォーマンス、透明性、および法的責任の厳格な基準を満たすことを意味します。