Facebook グループを活用した製品改良とブランド強化
顧客との対話と信頼構築戦略
グローブはFacebookのグループを「ザ・パントリー(The Pantry)」と名付け、定期購入をしている既存の顧客が参加できるようにしている。ペリー氏によると、グローブでは時折アクティブでなくなったメンバーのリストを整理し、新規メンバーを招待するためにリストを公開している。 だが現在の規模を維持することで、グローブはVIP顧客とより親密な会話や関係を築くことができるという。 同社では無料サンプルやセールへの早期アクセスなど、独自のメッセージをたまに投稿している。新しい香りや商品名に関する投票を行ったり、ブランドのヘルスアドバイザーによるAMA(Ask Me Anything=なんでも質問できる)セッションを実施することもある。 最近のある投票では、ソープの詰め替えに関してどのタイプなのか、たとえばボトルが空になるまで待つ派なのか、それともつねに満タンにしておきたい派なのかをユーザーに尋ねた。だがペリー氏は、小さな濃縮ボトルを再利用する方法やフローリングの床を掃除する際の最適な方法についてアイデアを交換するといった、顧客同士の交流にこそ真のメリットがあると指摘する。 「我々は新製品を発表するが、実際には顧客が『こんな新しいものを見つけたけど、誰かもう試した?』ということの方がずっと価値がある。それに対して、ほかの15人の顧客が『試してみたけど、とても気に入った』とか、『いや、それはやらない』といったコメントを返してくれる。そうした絶え間ないコミュニケーションがある」。 ガートナー(Gartner)のディレクターアナリスト、クラウディア・ラターマン氏は、オーガニックなコンテンツは一般的にスポンサード広告ほどのエンゲージメントを得られないとしつつも、信頼性の高いコンテンツでページやグループを充実させれば、その問題が軽減できると話す。 顧客は、舞台裏の動画やチュートリアルのような、有益で楽しいと感じるブランドコンテンツに関与する可能性がもっとも高い。ガートナーの調査によると、約53%の人がソーシャルメディア上でブランドに関与すると述べている。 だがオーガニックなリーチに投資することは、ブランドにしてみれば時間のかかることであり、すぐに売上が上がるとは限らないと、ラターマン氏はいう。それよりも、本物のコンテンツという点で顧客が求めているものを提供し、その過程でロイヤリティを築いていくことが重要なのだ。 「それは長期的なビジョンであって、『すぐに売れるかどうか』という短期的なビジョンではない」と、ラターマン氏は述べた。「より信頼できるコミュニティを見せてくれるなら、広告では得られない信頼を築くことができる。そのブランドの本当の一面を知ることができる」。