Facebook グループを活用した製品改良とブランド強化
Facebookグループは顧客との距離を縮める
またラターマン氏は、研究開発はブランドにとってコストのかかるプロセスかもしれないと話す。フォーカスグループの予算を削ってFacebookの投票に回せば費用を節約できるし、開発や規模拡大に多くの費用をかける前にアイデアを試すのに役立てられる。 この戦術は、忠実なファンのためにFacebookグループを運営する多くのD2Cブランドにとって有用だ。朝食ブランドのオーツオーバーナイト(Oats Overnight)の創業者であるブライアン・テイト氏は、同ブランドが新しいフレーバーに関するフィードバックを受け取る上で、公式のFacebookグループは重要な方法だと述べた。 オーツオーバーナイトの売上1.5億万ドル(約233.9億円)の約80%はD2C販売が牽引しており、その大部分は定期購入だ。およそ26万人の定期購入者がオーツオーバーナイトを受け取っているが、社内の食品科学チームによる「開発中のフレーバー(Flavor in Development)」も順番に送られてくる。 定期購入者は注文後にアンケートに回答し、開発中のフレーバーについての意見を共有できる。だがFacebookでは、約8万2000人のオーツオーバーナイトの定期購入者も意見交換に参加することが可能だ。 「オートミールについて話すだけのコメントが1日に2500件ほども寄せられていて、これはかなりすごいことだ」とテイト氏はいう。 創業4年のオーツオーバーナイトには、現在約45種類のフレーバーがあり、そのほとんどがこのデジタルフィードバックループを通じて開発されたものだ。グループ自体に関しては、同社のコミュニティマネージャーやソーシャルチームと同様に、テイト氏も時折チャットに参加する。 だがテイト氏によれば、ほとんど干渉はせずにグループは運営されているという。人々が好まないフレーバーやその理由についての批判は受け入れるとテイト氏は語っており、たとえば、ほかの点では好評だったフレーバーからバナナの塊を取り除く決定などを下している。 「大企業になると、小売データやフォーカスグループを通して顧客を見ているため、視点がかなりかけ離れてしまい、このようなことをやるのは非常に難しいと思う」とテイト氏は述べた。「Facebookのグループは、そのギャップを埋めて顧客との距離を縮める方法だ」。