<ソチ五輪>ノルディック複合団体チームが明かしたメダル戦略
■ソチの独特のクロカンコース 1994年リレハンメル五輪以来、20年ぶりの金メダルを目指すノルディック複合の日本代表チームが8日、現地で記者会見を開き、順調な仕上がりをアピール。個人と団体で複数メダルの獲得を狙うエース渡部暁斗(北野建設)は、勝利のカギとして「ジャンプが重要」と語り、自身の原点である“先行逃げ切りレース”で五輪を制するイメージを明かした。 ノルディック複合とはジャンプとクロスカントリーを組み合わせた競技だ。先にジャンプを飛んでその得点差をタイムに換算し、1位の選手から後半のクロスカントリーをスタート。ゴールに到着した順番がそのまま順位になる。そのため、選手によってジャンプが得意な者、後半のクロカンで逆転する者と、得意とするパターンが違っている。 渡部の場合は、長野五輪のジャンプ競技を見てジャンプを始めたというだけに、もともとはジャンプが得意。しかし、近年は課題のクロカンを完全に克服し、いまでは集団の中で駆け引きしながらラストスパートするように、自在に仕掛ける能力もつけている。ジャンプで失敗したらもうおしまいという選手ではなくなっているのだ。ただ、今回のソチ五輪は通常の大会と比べてクロカンのコースが独特だ。林の中を切り拓いてコースを作っているため、コース幅が規定ギリギリしかなく、狭い幅の中で場合によっては何人もの選手がひしめくような状態になる。また、カーブが非常に多く、前の選手を抜くポイントがほとんどない。 渡部によると、「ここのクロスカントリーのコースは差を詰めづらいコースという印象なので、走る方が得意な選手は少し苦戦するのではないか。ジャンプがすごい重要になってくると思う」とのことだ。昨年のW杯でソチのコースを経験したことのある他の選手も「アップダウンも多いので、はっきり言ってタフなコースだと思う」(永井秀昭)、「テクニックが必要なコース」(湊祐介)と口をそろえる。