樹齢60~70年の大黒柱にもなれる丸太が1本3000円...林業の課題に1本丸ごと販売につながる加工の工夫で取り組む団体、東京チェンソーズとは
市場にある物で木で出来る物がないかなと作製し、森デリバリーで実際に値段や使用感を地道に調整していきました。 それで軌道に乗ってきたため、別の会社で商品開発や製品管理をしていたメンバーに入ってもらい、その方に管理をお願いして安定して供給が出来るようになってきました。 購入者の方は、自然に対してポジティブというか自然が好きな方がまずいます。その他にやはり都心部にお住まいで普段木に触れる機会のない方が圧倒的に反応がいいです。 また東京でやっている強みとして、建築関係の方々が素材をすぐに確認することが出来る、山に生えている木のストーリーを確認できるということも私たちの強みに繋がると思います」
東京チェンソーズ方式は林業全体の未来を変えられる?
青木さん「林業を行う組織は、小規模零細が圧倒的に多いです。私たちは正社員が21名ほど、アルバイトを含めると30名ほどで比較的大きい組織です。 ただ林業には一般的に4~5名の小規模な事業者が多いです。そういった組織は、量を切るというよりは小さくて強い林業に着手出来た方がよいと思っています。 そういった意味では、広まっていく可能性は十分にあると思います。 林業が持っている経済性と社会性があると思っています。経済性というのは素材の価値ということだと思います。 社会性というのが、社会的な公益的な機能を高めるというような役割のことです。 山で働く人がどんどん減ってしまうと、山の手入れが行き届かなくなってしまって、 その社会性が下がってしまいます。 そうすると、例えば大雨が降ったら土砂崩れが起きたり、洪水が起きてしまう可能性があります。 そうならないように、国が補助金をこの業界に投入して、木材価格が安くても補助金で山の仕事を続けられるような環境を作ってきました。 そういういい面もありつつ、逆に言うと補助金をもらうことが目的になってしまって、補助金をもらうためのレールの上でしか、走れなくなってしまうという見方もあると考えています。 要は、自分たちで多様な価値観でオリジナリティーを持って林業に取り組むことができないことになってしまったっていうのが1つ大きな課題だと思っています。 そう考えると今後は林業事業体それぞれが持っているキャラを立てて、多様な盛り上がりになっていくとよいなと思います」 ◇◇◇ 本記事は、日テレNEWS NNN YouTubeチャンネルメンバーシップ開設記念番組「the SOCIAL season1」の発言をもとに作成されています。