樹齢60~70年の大黒柱にもなれる丸太が1本3000円...林業の課題に1本丸ごと販売につながる加工の工夫で取り組む団体、東京チェンソーズとは
東京チェンソーズの木材の価値を上げる取り組み
青木さん「まず初めに一般的に販売するのは、真ん中のまっすぐな木材のみです。 根っこだったり、曲がった木は規格化出来ないということで、山の中に捨てられていました。 ただそういった捨てられていた木の一部を、例えば鍋敷きなどに加工すると、1枚約2000円で売れるようになります。 そういった個性を活かす売り方をしていくことで、1本の木を余すことなく使い切り、価値を高めていくということに今チャレンジしているところです。 基本的には素材の皮をむくところから始めます。 不揃いな素材を加工することに関して業界的には、こういった手間がかかる加工はやらないという方が多いんです。 私は逆にこの手間こそ、地域にとっては雇用を生むために大切だと考えています」 トムさん「こういった加工された商品は、ecサイトなどで購入できるのでしょうか?」
青木さん「根っこみたいな素材はさすがにecでの取り扱いはおこなっていません(笑)。こういった素材は市場に出回っていません。安定的に供給できる体制があんまりないためです。 こういった素材は主に、建築関係・設計関係・デザイン関係の人がちょっと面白い素材ということで気に入っていただきご利用いただきます。 根っこを加工する商品としては、根っこに穴を開けてその中に芋虫のおもちゃを入れて、マグネットに反応して芋虫が出てくるという仕組みのおもちゃを制作したりしています。 それとは別に枝や細い丸太の部分は、室内の壁に貼って丸太が見えるような空間を演出することに使ったり、キャンドルホルダーやマグネットに加工したりしています。
そういったものを“山男のガチャ”という名前のカプセルトイで販売しています(笑)。 その他にも檜原村の美術館・商業施設とかイベント会場に出かけていって物販を行う森デリバリーという取り組み・オンラインショップなどから購入可能です」 トムさん「人気商品はありますか?」 青木さん「圧倒的に人気なのは、バードコールですね(笑)。一般の方が鳥の鳴き声を奏でるために使われます。 どんな商品に需要があるのかというリサーチなどは、最初は自力で行っていました。