酒造りがユネスコ文化遺産に 東京と福島で記念フェア、新酒販売
日本の「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることが決まった記念フェアが5日、福島県観光物産館(福島市)と日本橋ふくしま館MIDETTE(東京)で始まった。13日まで、県内酒蔵のできたての新酒を販売する。 ◇「ワイン発祥の地」ジョージア大使も歓迎 県観光物産館では、笹正宗酒造(喜多方市)が所蔵する江戸時代の「酒造絵」をデザインした記念パネルを、県酒造組合の渡部謙一会長(59)が除幕。早速、買い物客に新酒を次々と振る舞った。 渡部さんは「今でこそこうじや酵母のメカニズムは分かっているが、何も分かっていなかった500年前から代々伝承してきた技術が評価されたことはうれしい。造り手の励みになる」と歓迎した。 この日は、旧ソ連の構成国・ジョージア(グルジア)のティムラズ・レジャバ駐日大使(36)が福島市の県庁に内堀雅雄知事を表敬訪問した。同国はワイン発祥の地とされ、伝統製法は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されている。くしくも日本の「伝統的酒造り」も登録が決まり、レジャバ氏は流ちょうな日本語で「長い歴史の中で築かれたおもてなしの基本、お酒の力で地域間交流を促進したい」と述べた。 レジャバ氏は47都道府県にワインを届ける「ワイン外交」を展開。内堀知事には旧ソ連時代に栽培が途絶えていた品種「ヒフビ」を醸造した白ワインを手渡し、「ともに復興を目指しましょう」と語った。【錦織祐一】