阪神の外国人8人制は成功するのか?
阪神の球団史上最多となる外国人8人制が論議を呼んでいる。阪神は今オフに新外国人としてジャスティン・ボーア内野手(31)、ジェリー・サンズ内、外野手(31)、ジョン・エドワーズ投手(30)、ジョー・ガンケル投手(27)、ロベルト・スアレス投手(28)の5人と契約。契約延長したオネルキ・ガルシア投手(30)、ジェフリー・マルテ内野手(28)、呂彦青投手(23)を含め、今季は外国人8人体制でシーズンに挑むことが決定した。チーム内競争の激化、1年を通じて戦う選手層の強化が主な目的だが、ご存知の通り、外国人の1軍登録枠は4人で、投手または野手として同時に登録申請できるのはそれぞれ3人となっているので、残り4人はファームで調整することとなり、育成が急務の若手のファームでの出場機会を奪うことになりかねない。 NPBの実績があり計算が立つのは、中日から移籍し、昨季6勝8敗、防御率、4.69だった左腕のガルシアと、ソフトバンクで4年プレーして通算78試合に登板、3勝11敗、1セーブ、29ホールド、防御率4.28のスアレスの2人に1年目に105試合に出場、打率.284、12本塁打、49打点の成績を残したマルテの3人だけ。呂は3年目だが、まだファームでの育成段階だ。 新4番として期待されている左のボーアは、メジャー通算92発の大砲で、そのパワーと四球を選ぶ選球眼に期待が寄せられるが、昨季は、エンゼルスで打率.172と低調。メジャーでは左投手を苦手としており、92本中8本しか打てておらず、一塁しか守れない。マルテのコンバートも思案されているというがポジションが被る。サンズは、韓国プロ野球で、昨季28本を放っているが、同じく韓国経由のロサリオが力を発揮できなかった例があり未知数だ。 また投手陣に目を向けると、ガンケルは先発候補のようだが、最大の焦点は、藤川球児と共に勝利の方程式を形成していたジョンソン、ドリスの後釜として獲得されたエドワーズだろう。 メジャーでは、すべて中継ぎ、救援登板で、今季は9試合に登板して2勝0敗、防御率2.25。196センチと長身で150キロを超える角度のあるストレートに加え、スライダーなどの変化球に制球力がある点は、近年、日本で成功している投手の条件を満たしている。故障明けから右肩上がりのスアレスには、代役としての計算が立つとして、もしエドワーズがこければ、新勝利の方程式が崩壊することになる。