「俺らの時代は…」が口グセの上司にウンザリする…佐久間宣行が明かす、昭和メンタルな上司との接し方
完全に分かり合えることはない、分断は絶対にある!
僕は年齢的にはおじさん世代ですけど、僕自身も若い頃からワークライフバランスとかコンプライアンス意識とかは強くて。仕事より大事なものはたくさんあるんだろうな、と思っていました。だからこそ仕事が楽しくないと投げ出してしまう自分がいると分かっていて。それでどうしたら楽しくなるか、やりがいをコントロールできるか、ということをすごく考えていたんですよね。 で、そのためには上司に振り回されないように仕事をしよう、と思った。それで意識していたのが、“雑に扱ったり無視したりすると面倒な部下になる”ということだったんですけど。振り返ると、自分が決して頑張り屋じゃないということを分かっていたのが良かったんでしょうね。もし、すごいポジティブでやる気のある若者だったら、絶対つまずいていたと思います。 一方で上司世代となった今は、今の若い子はどうせ一生ここにいないんだろうな、と思いながら仕事をしています。でも人生の数年を一緒に過ごすわけだから、せっかくならその時間が彼らのキャリアのプラスになればいいなと思うし、せめていい思い出になればいい、という感覚では接していますね。だから、「このままだとキャリアにもいい思い出にもならないよ」と言う。そこは一応、先輩の役目として。 こんな感じで若者世代とおじさん世代の両方の気持ちが分かる身として言えるのはただ一つ、両世代が完全に分かり合えることはない、分断は絶対にある! これに尽きます。パワハラする人や上世代を否定する人は、だいたいみんな相手に過度な期待をしている人たちです。「期待しているから悲しいんだよ」とか「上は理解がない」が口癖の人は危ない。勝手に期待して、勝手に裏切られている可能性がある。そうじゃなくて、分かり合えないという前提のもとで、どう接していくのがもっとも仕事の成果を生みやすいか、そう考えていくのが良いんじゃないかと思います。 後編記事『転職組を見ていると、ずっと同じ会社にいていいのか焦る…48歳・佐久間宣行が考える「会社の辞め時」』へ続きます。
山本 奈緒子(フリーライター)