愛知県の大村知事が「岸田総理はよくやっている」と会見で評価 菅前総理の“退陣要求”発言には「違和感」
愛知県の大村秀章知事は25日、県庁で定例記者会見に臨んだ。菅義偉前首相が、裏金問題などへの対応を巡って岸田文雄首相に事実上の退陣を迫った発言などについて「正直、違和感がある」と言及。秋の自民党総裁選前に党内が混乱することに憂慮を示した上で、「岸田総理はよくやっている」と評価した。 【動画】愛知・大村秀章知事が会見 (2024年6月25日)
自身の自民党国会議員時代振り返り「内心忸怩たる思い」
菅前首相は23日の文藝春秋のオンライン番組で、裏金問題などに「岸田首相が責任を取っていない」という趣旨の指摘をし、9月に予定されている自民党総裁選で「刷新感を国民に思ってもらえるか」などと述べたことが、事実上の退陣要求だと波紋を呼んでいる。 これについて問われた大村知事は、菅前首相のほか若手議員の首相批判を含めて「国会が終わったとたんにそうした声が出てくるのは正直、違和感がある。9月に向けてイレギュラーなことを言われるのではなく、総裁選で正々堂々とやられたらどうか」と苦言を呈した。 自身の国会議員時代に麻生内閣で厚労副大臣を務めた経験も引き合いに出し、「当時も党内からいろんな発言が出て収拾がつかなくなった結果、その後の衆院選で自民党が大敗した。あの当時を振り返ると内心忸怩たるものがある」と吐露。その上で岸田首相について「評価はこの後だろうが、政治資金規正法にしても、とりあえず形にして国会で成立させた」と述べた。
都知事選の掲示板問題「表現の自由ということではない」
20日に告示された東京都知事選については「世界にとっても大変重い意味を持つ選挙。それぞれの候補者が政策をぶつけ合い、切磋琢磨して有権者が東京都のリーダーを選んでいただきたい」と期待を込めた。 一方で、不適切なポスターが張られるなどして問題となっている選挙掲示板については「政策の主張もなしに私物化するようなこと、公衆の面前で見せてはいけないポスターを張ってはがしてなどのやり方はけしからん。表現の自由ということではない」と批判した。
熱中症対策で知事メッセージ「高リスク者に注意を」
本格的な夏の到来を控え、熱中症予防についてのメッセージを発表。「昼夜を問わずエアコン等を上手に使用して温度調整を」「『熱中症警戒アラート』が発表されている日には、ご自身で普段以上に熱中症の予防行動を実践いただくとともに、身近に熱中症リスクの高い方(子ども、高齢者等)がみえましたら、熱中症に注意するよう積極的にお声がけください」などと呼び掛けた。 県は熱中症対策の啓発動画も作り、7月2日から15日まで愛知県内のファミリーマート店舗内のデジタルサイネージで放映する予定だという。 (関口威人/nameken)