「ナナサンカレラ」に右ハンがあった! 新車当時から一組の夫婦によって維持されてきた個体は約9000万円で落札されました
記録簿も多数残っている
さらに手書きのメモによると、近年では2014年9月、6万6000マイル時の2018年2月、6万7900マイル時の2021年11月にオイル交換されたことが記録されている。また2021年、6万7779マイルで新品のディスクとブレーキパッドが装着され、軽い点検整備を受けた。2022年には新しい「ピレリ・チントゥラート」タイヤが装着されている。 1976年から現在までの走行距離を証明するMoT証明書、エンジンとギアボックスのリビルドに関する重要な請求書、Moto Techniqueによるボディワークの修復と再塗装に関する請求書と写真、AFNからの多数の部品、2022年までの諸請求書とともに提供される。 今回のオークション出品にあたってボナムズ社の営業部門は「カレラRSレジスターに登録されているこの美しい個体は、故人の熱狂的なオーナーによって、その生涯のほとんどを通して大切にされてきたものであり、じっくりと検証する価値のあるものです」という宣伝文を添えて、40万ポンド~50万ポンド(約7520万円~9400万円)という、ナナサンカレラRSツーリングとしては現状のマーケット相場に即したエスティメート(推定落札価格)を設定していた。 そして「グッドウッド・リバイバル」の1週間前、9月7日にグッドウッド・サーキット内で行われた競売では、エスティメートの想定内に収まる47万1500ポンド。現在の為替レートで日本円に換算すれば、約8862万円で競売人のハンマーが鳴らされることになった。 ちなみに、この3週間ほど前に行われたRMサザビーズ「Monterey 2024」オークションでは、同じカレラRS2.7でもより市場価値の高い「スポーツ(ライトウェイト)」が出品されたばかり。落札には至らなかったものの、100万ドル(約1億5000万円)~150万ドル(約2億2400万円)というエスティメートが設定されていた。 これは、ポルシェ911カレラRS2.7が依然として高値安定であること。そして「ツーリング」と「スポーツ」には、歴然とした相場価格差があることを示しているといえるだろう。
武田公実(TAKEDA Hiromi)
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