サルビアを初心者にオススメする理由
おなじみの植物でありながら、奥深い魅力にあふれたサルビア。育てやすい品種を選べば、さほど手をかけずにぐんぐん成長して1株でも抜群の存在感を放ちます。大人気の宿根草専門店を営む荻原範雄さんによると「サルビアは大ざっぱな人向き」だそう。そんなサルビアだから園芸初心者の「初めての宿根草」にもぴったり。オススメの理由について教えていただきました。『趣味の園芸』9月号より、一部を抜粋してお届け。 みんなのサルビア(宿根性)の写真
【理由その1】手間いらず
特に庭植えは放任で大丈夫。花がら摘みも不要です。夏の水切れに注意することと、切り戻しをする(9月号68ページ参照)くらいで育ちます。大ざっぱぐらいでOK。忙しい人にもおすすめです。
【理由その2】とにかく丈夫
日本の気候はもはや亜熱帯。宿根草のなかでもサルビアは暑さに強いものが多く猛暑でも安心。温暖地では露地で冬が越せる種類もたくさんあります。暑さ寒さに強く、宿根草初心者でも安心。
【理由その3】種類が多い
サルビアは世界に900種ほどあるといわれ、多様性も魅力の一つ。コンパクトに楽しめる品種や長く咲き続ける品種も。多様な品種から選べる楽しみもあります。
苗の植えつけは「花期のピークの半年前」が理想です
秋からサルビアの栽培を始める場合、秋に花つきの苗を植えつければすぐに花も楽しめます。初めはその方法でかまいませんが、少し慣れたら、花期のピークの「半年前植え」に挑戦してみましょう。秋咲きは春に、春咲き(初夏咲き)は前年の秋に植えたほうがしっかり根づいて株が丈夫に育ち、ボリューム感が出て、よりパフォーマンスを発揮します。「半年前植え」では、花のない葉のみの苗(ラベル苗)を入手して植えつけます。店頭での販売は少ないですが、インターネットの通信販売では流通しています。半年前植えは、サルビア以外のほかの宿根草にも推奨しています。 季節をまたいで咲き続ける四季咲き性に近いものはいつ植えてもよいですが、秋に植えつけて冬を経験させると、株が見違えるほどボリュームアップして花つきがよくなり、耐暑性も強くなります。 教えてくれた人/荻原範雄(おぎはら・のりお) 園芸研究家 長野県上田市で宿根草専門店を営む。取り扱う4000種以上の宿根草を実際に栽培し、その豊富な経験と知識に全国にファンが多い。近著に『おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン』(NHK出版)など。 ●『趣味の園芸』2024年9月号 「大ざっぱでぐんぐん育つ! 初心者にイチオシ!サルビア」より