RIZINの那須川vs堀口戦はなぜ格闘史に残る名勝負になったのか
さて、格闘ファンの次なる焦点は、那須川がMMAもできるため、今度は、MMAルールで両者の再戦があるのかどうかという点だ。 堀口は、「試合が終わったばかりなのでまだ何も考えてないが、もっと日本を盛り上げたい。オファーがあればキックルールでまたやろうかな。負けているのでやり返さないといけない」と、キックルールでの再戦にも意欲を見せたが、MMAルールでの再戦には否定的だった。 「はっきりと言うがMMAでは相手にならないと思う。組み際とかが出来ていないので自分が普通に勝つので面白くない」 那須川のパンチとキックのスピード、威力を感じとった上で、そう言うのである。 一方、那須川も、「今度はMMAで」とは言わなかった。 「MMAか、キックか、ボクシングか。悩んでいる。中途半端に両方できるような甘いものじゃない。MMAでやるならば、しっかりと準備をしないと」 リング上では、興奮のあまり、日付と場所を間違って告知してしまったが、すでに11月17日に両国国技館でキックの試合が組まれている。那須川と堀口が将来的にMMAルールで、再び合間見えることがあるとしても時間はかかるのかもしれない。 交通機関が止まる前に……と観客は席を立ち、まだ数試合を残して格闘技の聖地はさずかに空席が目立った。だが、そこには確かな熱が残っていた。 「希望が見えた。まだまだ日本の格闘技界が盛り上がるという希望が見えた」 試合後、那須川天心は、そう言った。 彼が格闘人生をかけて見たものに嘘はない。台風24号が日本列島を直撃した9月30日は、日本の格闘技界復活の日として刻まれるのかもしれない。