職場に残る理不尽な慣習あれこれをリセット! 組織の違和感は変革の源泉。対話でチーム体験を引き上げよ
変化が激しく、将来の予測が困難なVUCA時代と言われる今。なんとなく続いている組織の慣習やルールも、時流に合わせて見直す必要があります。 新刊『組織の体質を現場から変える100の方法』を上梓し、400社以上の組織開発を支援してきた、あまねキャリア代表の沢渡あまねさんは、これからの時代のキーワードとして「共創」を挙げます。 職場に残る理不尽な慣習をリセットし、立場や世代、属性が異なる多様な人と共創ができる組織になるには、どうすればいいのでしょうか。
【沢渡 あまね AMANE SAWATARI】 あまねキャリア株式会社 代表取締役CEO 1975 年生まれ。作家・企業顧問/ワークスタイル&組織開発。 『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰。 あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO 顧問/大手企業 人事部門・デザイン部門ほか顧問。プロティアン・キャリア協会アンバサダー。DX 白書2023 有識者委員。日産自動車、NTT データなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。400 以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。 新刊『組織の体質を現場から変える100 の方法』(ダイヤモンド社)をはじめ著書多数。 NewsPicks +d公式コメンテーター
現場の違和感を「組織共通の関心事」に変える
職場の根強い慣習を打破する上で、「自分と相手の目線の行き来が大事」と沢渡さん。具体例として、ある大企業の研究開発部門の事例を挙げます。 沢渡「その部門のミッションは研究開発ですが、日々の業務が忙しすぎて研究開発ができず、離職が相次いだり、前向きな仕事をすることを諦めてしまった社員が増えたりといった課題を抱えていました」 状況を変えるきっかけは、ある研究員の声。「新たなアイデアや研究テーマを生み出すには新しいインプットをする余白が必要」と声を上げ、部門長と対話をしたことで、「業務時間の10%を通常業務以外に使える」制度が部門単位で始まりました。 沢渡「現場メンバーと部門長が『余白がないと研究部門として成果は出せない』という共通の課題を認識したことで、新たな制度が生まれました。現場と部門長がお互いの目線を行き来し、関心事が一致したことで、解決後の未来の景色を共有できたわけです」