職場に残る理不尽な慣習あれこれをリセット! 組織の違和感は変革の源泉。対話でチーム体験を引き上げよ
「企業も業界も急には曲がれないけど、チーム単位なら曲がれる」と沢渡さん。自分の力で会社全体を良くするイメージは湧かない人でも、自分のチームを良くすることならできそうな気がするのではないでしょうか。 沢渡「泥臭い言葉で言えば、みんなが笑顔でいられるために、『良いチーム体験』を増やしていきたいです。それは指をくわえて待っていても得られません。 『こういう社風だから』と諦めるのではなく、それぞれの半径5メートルからモヤモヤを言葉にし、自分たちの関心事と捉え、自らチーム体験を引き上げていく取り組みを重ねていきましょう」
自己否定と自己肯定の両輪を回そう
チームの体験を高めるためにまずやるべきことは、チームの現在地の把握です。エンゲージメントサーベイ(従業員満足度調査)を活用し、自分たちのコンディションを客観的に見ることが第1ステップ。 その上で、「どこから改善できそうか」を話し合い、打ち手に当たりをつけるのが第2ステップです。そこで使えるツールとして、沢渡さんは従業員体験、チーム体験を可視化した「EXジャーニーマップ」を挙げます。 沢渡「会社に興味を持ったところから退職後まで、一連の体験がまとまっています。エンゲージメントサーベイで問題点の当たりをつけたら、このマップを見ながら改善できる箇所を探してみてください。 自分たちだけで変えられるもの、人事や総務、情報システム部などコーポレート部門を巻き込む必要があるものなどを整理し、できるところから手をつけていくといいですね」
その際、つい悪いところばかりに目がいってしまいがちですが、「良いところにも当たりをつけるのが重要」と続けます。 沢渡「良い組織をつくるには、自己否定と自己肯定の両輪を回す必要があります。バスで例えると、車体が組織で、前輪が自己肯定、後輪が自己否定。自分たちの良いところを育てながら、悪いところを改善していく、この両輪を回しましょう」 そして、「自己肯定と自己否定の両輪をうまく回すのに必要な道路が越境」と沢渡さん。 沢渡「外部の人との対話を通じて自分たちの良いところや目指す姿が見えてくるはずです。内に閉じこもらず外を見て、外部の人とつながり、一緒に事を起こすことを当たり前にしていきましょう」