潔白だった井岡のドーピング問題で失態続けたJBCトップに畑中会長が「しかるべき責任を取るべき」と事実上の“辞任要求”
今回JBCが井岡のドーピング問題についての調査、審議を委嘱した倫理委員会は、その答申でJBCに検体の管理と、手続きに瑕疵(不手際)があったことを指摘した。 JBCは大晦日の井岡―田中戦の試合前に大田区総合体育館内の医務室で午後3時から午後4時の間に両選手の尿を採取。ただちにA検体、B検体に分けられたが、医務室で試合が終わるまで常温で放置され、その後、年末年始で検査を依頼している病院が休みだったことからJBC職員が検体を自宅に持ち帰り自宅の冷蔵後に保管された。A検体を検査する簡易キットの取り扱い説明書には「冷蔵保存は最長で2日間。それ以上は冷凍保存して下さい」との注意事項があったが、6日間、冷凍されないまま1月5日にJBC職員により病院まで検体を電車と徒歩で常温のまま運んだ。これらの杜撰な管理により検体が腐敗し、ドーピングの禁止薬物が繁殖生成され、A検体では大麻成分の偽陽性、B検体でも「エフェドリン」など3種類の禁止薬物が出た可能性が否定できないと答申書で認定された。 JBCの杜撰な管理が及ぼした最悪の事態だ。 それ以上の失態がJBCの手続き上の不手際だ。2017年に制定されたJBCアンチドーピング規定によると「B 検体で A 検体と異なる禁止物質が検出された場合、B 検体の一部を再検査可能の状態に保たなければならない」と規定されており、井岡サイドの再検査要請の権利が保障されているが、その手続きを踏まず、あろうことか、A検体から大麻成分、B検体から覚せい剤成分が検出されたことに過剰に反応して、永田理事長と幹部が警察に話を持ち込み、結果、B検体を押収され、井岡の潔白を証明するめの再検査ができなくなるという失態を犯した。 本来、スポーツドーピングの禁止薬物と、刑事罰の対象となる違法薬物は分けて考える必要がある。だが、JBCは判断を誤り、警察捜査に委ねた結果、倫理委員会の開催のストップを命じられB検体も押収されすべてを使い切られた。 「必ず戻して欲しいという話はしたのですが」と、永田理事長は“寝言”を言ったが、捜査の対象となる証拠物を「わかりました半分残しておきますね」ということになるはずがない。 永田理事長やJBC幹部の責任は免れないが、オンライン会見で、永田理事長は、「それはありません」と、辞任やJBC内部でなんらかの処分を下すことを否定。 「今後、ガバナンス、ドーピング委員会を開く。これからの取り組みが責任だと思う。ドーピングの在り方を正すのが先」と論点をすり替えた。