サテライトのフェラーリ499Pで躍動のロバート・クビサ、来季は「選択肢を検討したい」とファクトリー志向を示唆/WEC
AFコルセの83号車フェラーリ499PでWEC世界耐久選手権に参戦しているロバート・クビサは、2025年も同チームに残るかどうかは不確かだと認め、選択肢を「検討したい」と述べている。 【写真】AFコルセの83号車フェラーリ499Pで2024年のWECハイパーカークラスに出場しているロバート・クビサ 元F1レーサーのクビサは今シーズン、イーフェイ・イェ、ロバート・シュワルツマンとともに“3台目”の499Pラインアップの一員としてAFコルセに加入、この3人はカタールのシーズン開幕戦でこれまで4位という総合最高順位を獲得している。 黄色のカラーリングのフェラーリは、ル・マン24時間レースでも一時トップを走行したが、クビサがドリース・ファントールのBMWとの接触でペナルティを受け、残り4時間でハイブリッドシステムの故障によりリタイアを喫した。 今シーズン、AFコルセのパッケージはこれまでほぼ全戦で競争力を発揮してきたが、クビサは来年の選択肢を検討したいと述べ、機会があればフルファクトリーチームの一員になりたいとほのめかした。 「将来がどうなるかは分からない」とクビサはSportscar365に語った。 「もちろん、一方では継続できればいいと思う。他方では、できるだけ競争力の高い場所にいたいと思っている」 「フェラーリは競争力のあるクルマを提供している。しかし、何が可能で、何が理にかなっているかを見極める必要がある」 「僕がル・マンに重点を置いたことは、秘密ではない。僕にとってはそれが最大のレースであり、そこで競争力のあるパッケージでレースをする機会を得たい」 「最高レベルでレースをするときは、チャンスを最大限にするために、自分が所属する組織の主なプライオリティ(優先されるもの)でいなければならないと僕は信じている」 「それは、(ファクトリー車両以外では)チャンスがないという意味ではない。何が起こるか、レースがどう展開するかは誰にも分からない」 「しかし、現在WECのような競争の激しい時代では、プライオリティを持っていれば、チャンスは高くなる。これは秘密ではない。普通の傾向だ」 ル・マンでの83号車は、早い段階で雨が降る中、スリックタイヤで走り続けるという正しい判断を下し、6時間経過時点でトップに立ち、ファントールとの接触でクビサが30秒間のストップペナルティを命じられるまで、その優位を維持した。 クビサは、83号車が終盤にトラブルに見舞われなければ、自分とチームメイトはル・マンで優勝を狙える位置にいたと確信していると述べたが、近い将来にそのようなパフォーマンスが再現されるかどうかについては懐疑的だと述べている。 ル・マンで優勝を争えると感じたかと問われたクビサは、「今年は、それを証明した」と答えている。 「だが、率直に言って、このようなチャンスは頻繁には訪れないと思う」 「(リタイアする前の段階で)優勝を争えなかった理由はないと思う。僕らは間違いなく戦える位置にいた。リタイアしたとき、僕らは優勝したクルマより前にいたんだ」 「だけど、来年も同じことが起こるかと聞かれたら? こういうチャンスがあるのは、10年に一度くらいだと思う」 「いつの日かプライベーターのクルマがル・マンで優勝するとは、僕には信じ難い」 [オートスポーツweb 2024年07月31日]