ホンダとアルピーヌ、F1コストキャップ規則手続き違反への処罰が決定。それぞれに9000万円/6000万円の罰金
FIAは、2023年F1財務規則において手続き上の違反があったパワーユニット(PU)マニュファクチャラーのアルピーヌおよびホンダ・レーシング(HRC)と『違反容認合意(Accepted Breach Agreement)/ABA』を結び、両社に罰金を科したことを発表した。 【写真】ホンダと提携するレッドブル(マックス・フェルスタッペン) 2021年からF1にチームのコストキャップ規則が導入され、2023年には2026年から導入される新世代パワーユニットの開発と供給のコストを規制するため、PUマニュファクチャラーの財務規則も導入された。 コストキャップ管理局(CCA)は、2023年F1財務規則の順守状況の審査結果を9月11日に発表、F1の10チームがすべて基準を満たしている一方で、PUマニュファクチャラーのなかでアルピーヌとHRCに手続き上の違反があったことを明らかにした。両社はコスト上限レベルを超えてはいなかったことが確認されており、FIAは違反容認合意による解決を提案すると述べていた。 10月29日、FIAは、アルピーヌとホンダがともにFIAからの提案を受け入れたと発表した。FIAは声明において、次のように述べている。 「アルピーヌ・レーシングSAS(アルピーヌ)とホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)は、2023年の報告期間中の関連コストはコストキャップ内であったものの、パワーユニット財務規則の手続き違反を犯していることが判明した」 「コストキャップ管理局は、これらの問題を解決するために、両パワーユニット・マニュファクチャラー(PUM)に違反容認合意(ABA)を提案した。この提案は両PUMによって受け入れられた」 「コストキャップ管理局は、両PUMが審査プロセス全体を通じて協力的かつ誠実に行動し、要求された際に適時に追加情報と証拠を提供するよう努めたこと、パワーユニット財務規則の完全適用の初年度であること、およびアルピーヌまたはHRCのいずれかが違反の結果として不当な利益を求めたり得たりしたという告発や証拠がないことを認識している」 FIAはHRCに対しては60万ドル、アルピーヌに対しては40万ドルの罰金をそれぞれ科した。違反の内容は、HRCの場合、「提出された報告書類に、関連費用の計算において不正確に除外および/または調整された費用が含まれていた」と説明されている。具体的には、ダイナモメンテナンスに関連するコストが誤って除外され、在庫に関連するコストが過小申告されていたということだ。しかし、修正後もコスト上限の範囲内にとどまっていたため、HRCの違反は手続き上の違反のみとなる。 一方、アルピーヌに関しては、「2024年4月2日にアルピーヌが提出した評価報告書には大きな欠陥が含まれていた。いくつかの必要な手順が全く実施されておらず、一部しか完了していない手順もあった」とFIAは述べている。アルピーヌは2024年5月6日付けで更新版報告書を提出、それにおいては欠陥がすべて解決されていたということだ。しかし、「アルピーヌは、2023年報告期間に関して関連情報を省略した不正確な報告書類を提出し、コストキャップ管理局による規制機能の行使を遅らせた」ことが、違反と判断された。 [オートスポーツweb 2024年10月30日]