第93回選抜高校野球 市和歌山 悔しさ胸に、裏方に徹す メンバー外れた3年生 /和歌山
<センバツ2021> 市和歌山の部員は39人、うち3年は19人。最終学年で迎えたセンバツで、5人はベンチメンバーから外れた。悔しい思いを胸にしまい、気持ちを切り替えて選ばれた仲間をサポートしている。 市和歌山の投手陣は計13人おり、しのぎを削っている。メンバー外となった3年生5人のうち4人は投手だ。 阿形拓斗投手と武田愛輝投手の両左腕は、センバツの対戦相手が県岐阜商に決まってから、仮想で相手の左腕エース役になることを買って出た。阿形投手は「練習ではよく打っているのでコールド勝ちする勢いでどんどん打ってほしい」とエールを送る。武田投手は「選ばれた投手陣は、エースの(小園)健太以外にも力がある選手がそろっている。バックを信じて抑えてほしい」と応援する。 楠山翔平投手は記録員としてベンチに入る。「球数を教えたり、相手打者の前の打席の状況を伝えたり、できることで貢献したい」と話す。 江川凌世投手は昨秋の近畿地区大会でベンチ入りした。「練習試合でもっと結果を残せていたら……」と悔しい気持ちは残る。それでも実戦練習の紅白戦では、レギュラーメンバーに対して最も多くの回数を投げた。「自分の球が少しでも役に立てば」との思いだったという。 5人の中で唯一の野手、澤和哉選手はバッティングマシンのボール入れなどを手伝う。「冬場に鍛えた打撃を発揮して打ち勝ってほしい」と仲間に思いを託している。【橋本陵汰】