チョーヤが「前代未聞の梅不作」でも平気だった理由とは? 40年の信頼と「一見非合理」な非専属契約の繋がりがつくる”強さ”
■梅の産地の分散も進めている また同時に、仕入れの中心となっている和歌山県以外の地域の梅が、梅酒に適するのかを確認する研究も進めている。梅は産地によりさまざまな種類があり、暑さ、寒さに強い品種もあるからだ。仕入れ先についても災害のリスクを考えて、あえて100%和歌山産ではなく、8割程度にとどめて分散するようにしているという。 「梅は1年に1度しかとれない貴重な作物です。気候変動についてはすぐには答えが出ませんが、私たちは梅酒だけを扱うメーカー。ほかには見向きもせず、時間をかけて解決方法を模索していきたい」と金銅氏は話した。
ここまでしているのか、と驚かされるチョーヤの取り組み。だが梅酒の絶対王者である同社が実践する戦略はそれだけにとどまらない。中編に続く。
笹間 聖子 :フリーライター・編集者