2025年、専門家注目のタワマン3選 - 「晴海フラッグ SKY DUO」は転売市場でどう動くか
人によっては、「まわりにお店がない」「倉庫街である」等の意見がありますが、少し大きな範囲で見た際には、いわゆる「勝どきエリア」の一部としての評価ができます。 築地エリアからの開発を考えた導線が実は面白い、と私は感じています。HARUMI FLAGまでの街の広がりを考えると、決して立地がネガティブ要素になるとは思いませんが、その開発余力に期待して、今の状況を我慢できるか、勝どき中心地との差が出るのか……アッパー層の注目を集めています。 既存タワマンとの差別化が可能な「曲線を軸に海と空に映えるデザイン」(ホシノアーキテクツ)、海外投資家を視野に入れている、気圧対策、または廊下のスペースの関係上…といわれている、専有部分の"内開き"扉の是非なども、建物の価値評価において注目したいポイントです。 「賃料」については、30階までが賃貸専用となっている近隣物件「THE TOKYO TOWERS(MID)」の賃料がエリアのベンチマークとなっています。もちろん賃料自体は上がってきているのですが、エリアの物件価格が2割~非連続に伸びている中で、例えば22F、53.74㎡で22万4,000円という賃料付は決して非連続に伸びているとは言い難いのが実際です。 このような状況でTHE TOYOMI TOWERの賃料がどのようについていくのか、答え合わせが楽しみな物件です。 ■2025年、タワマン投資家の歩き方 湾岸タワマンの購入を考えている方にとっては、「HARUMI FLAG SKY DUO」の動きを見て、「パークタワー勝どき」の伸びを見て、今後竣工する「THE TOYOMI TOWER」の物件価格の安定性を確認する、という流れが一つの勝ちパターンと言えるでしょう。そしてもちろん、近隣の中古タワーマンションを見ていくのも面白いと思います。 賃料の動きを見ながら、バブルではないのか(賃料が上がるのか)、港区のブランディングエリアと同じような利回りでも安定的に物件流通がなされるのか……これらを丁寧にモニタリングすることが重要だと考えます。 ■ 渕ノ上弘和 ふちのうえひろかず 不動産ナビゲーター/2000年に立教大学法学部法学科卒業後、コンサルタントとしてECサイト運営会社を起業すると同時に不動産コンサルタントとしても業務を開始。区分所有建物の資産価値マネジメントに従事するため、2008年より住友不動産建物サービス株式会社、2013年より株式会社東急コミュニティーにて区分所有建物の共用部分・専有部分のマネジメントに従事した後、不動産の資産性を流通の側面から評価するために、2018年にコンドミニアム・アセットマネジメント株式会社の設立代表に就任。2022年2月より株式会社MFS不動産投資事業部執行役員として不動産投資総合プラットフォームサービス・INVASEの事業責任者に就任。
渕ノ上弘和