私が稼いだお金なのに。「君は金銭感覚がなさすぎるから」と言って夫が私の給料を全て取ってしまいます。渡されるお小遣いは「月2万」。これって普通なの?
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。「この人となら経済的にも安心して暮らせる」「頼りがいのある人と結婚できた」と思い、幸せな気持ちで結婚生活をスタートさせた方が、結婚後に経済的モラハラという現実に直面し、悩みを抱えることは少なくありません。 【データ】10人に1人が、配偶者からの繰り返しDVを受けている 特に、家計管理を夫が一方的に握り、妻の経済的自由を奪うケースでは、日々の生活が精神的な負担となり、自分の価値を見失ってしまうのです。今回は「共働きの給与まで夫に管理されている」というYさん(都内在住30代)のお話を紐解きます。 ※個人が特定されないよう変更を加えてあります
「家庭のために家計を管理するよ」と夫に提案されて
結婚前、Yさんは夫に「結婚後も仕事を続けたい」と伝えていました。「数年は専業主婦になってほしい」と希望していた夫でしたが、最終的にはYさんの希望を尊重してくれることになりました。ただし、その条件として夫が提示したのは、「給与の振込口座の管理を自分がする」というものでした。最初は戸惑いましたが、夫が外資系銀行に勤めていることもあり、「この人に任せたほうが上手に資金を運用してくれるかもしれない」と思い、任せることにしました。 「家計管理も運用も俺がやる、君は余計な心配をしなくても大丈夫」 「毎月の生活費は決まった分だけ渡す。それ以上使う必要はないだろ?二人の将来のためだから」 そんな言葉をいう夫が頼りになると最初は思えたのだとYさんは語ります。しかし、結婚生活がスタートすると夫は家計の全てを管理するようになり、Yさんの給与振込口座も「新しく作った夫婦共有口座」に変更させました。毎月、生活費として食費と雑費を合わせて5万円を夫から渡されます。そしてYさんに渡される「自由に使えるお金」は2万円。 それ以外は全て「将来のため」と言って夫が管理するようになったといいます。Yさんの手取りは当時25万でしたが、友達の結婚式のご祝儀や、予定外の出費は全て夫に申告しないと貰うことはできなくなりました。 そんなYさんに夫はこう言いました。 「君は金銭感覚がなさすぎる。僕と結婚しないで自由にお金を使っていたら、経済的に破綻していたね。老後は生活保護だったよ」