【実話】50代で海外駐在から帰任した電通マンが、上司から受けた「まさかの宣告」…高給の再雇用オファーを蹴って〈最低保証年収〉で働く転職を決断した、深いワケ
定年間際で「個人事業主」になった電通マンが手にした“やりがい”
これからチャレンジする人へのアドバイスなど ※本人談 ・今までの経験を「見える化」して「何が商売の武器になるか」を突き詰める。武器がなければ今から学んで獲得していく気持ちが必要です。 ・初めは、リリーフマン型から始めて領域を自社だけでなく外部に広げていく。いつまでも元の会社に依存する完全リリーフマン型はリスクがあることを理解しておきます(相手先の窓口が変わるなど、環境変化でいつ契約終了になるかわかりません)。 ・たまたま元会社に個人事業主応募のスキームができたことは追い風でした。こうした条件があったからかもしれませんが、独立してからの率直な感想は、「もっと早くから独立準備を始めておけばよかった」というものです。 ・時間が自由になることが個人事業主になっての最大のメリットです(自分で時間をコントロールできる)。また、ちょうどコロナ禍でオンライン中心での業務になっていたため、時間・場所にこだわらずに仕事ができるようになったこともよかったです。 ・いい意味で公私の区別がつかなくなりました。どちらが大事という意識がなくなりました(どちらも大事)。 ・やったことが収入に反映されます。特に、人生後半で勉強したコーチングや人材開発・組織開発の勉強がお金に変わり、実績として積み上がっていく感覚は、シニア世代のサラリーマンでは得られないやりがいになっています。 ・家族からは大きな反対はありませんでした。私がサラリーマンとして悩む姿を見てきており、子どもの教育費も目処がつきはじめてきていたことも大きな反対を受けなかった理由です。 ・収入の変化としては、正社員時代の収入に対して独立1年目で50%くらい、独立2年目に70%を超え、独立5年以内(年金をもらえる年齢になるまで)に100%を超えたいという目標を立てています。 解説 新倉さんが勤務していた電通の個人事業主募集のニュースは、その当時(2021年)は大きな話題になりました。その制度に定年直前でエントリーした1人が新倉さんですが、名前の通った大企業に長年勤務されたサラリーマンゆえの踏み出しの難しさを話されています。 定年間際になると、どうしても行動は保守的になりがちです。「電通にこうした制度ができたから転身できたのだろう」と思いがちですが、実際に電通の大看板を捨てて個人事業主へ踏み出した方は、約6,000人の従業員の中でわずか230人弱です(募集条件があるので、全従業員が応募できたわけではありません)。 新倉さんの場合も、50代に海外赴任から戻ったときから自分でキャリアを考える必要性を痛感し、準備を始めています。こうした準備なくしては、制度にタイミングよくエントリーはできません。プランドハップンスタンス理論(キャリアというものは偶然の要素によって8割が左右される。偶然に対してポジティブなスタンスでいるほうがキャリアアップにつながるという理論)でいう偶然を活かすためにはこうした事前準備が必要です。 なお、新倉さんが関与している「ライフシフトプラットフォーム」では、個人事業主的な活躍推進のために電通以外の企業との連携や、(トライアル段階ですが)電通だけではなく他企業出身の個人事業主へもプラットフォームを導入するなど、新たな取り組みを始めています。個人事業主的な働き方に興味を持つ方は、一度ニューホライズンコレクティブ合同会社のホームページ(https://newhorizoncollective.com/)をご覧になるとよいでしょう。 木村 勝 行政書士 リスタートサポート木村勝事務所 代表
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