自分を物語る口紅 エルメス、プラダ、グッチ…主要ブランドの新作で奥義学ぶ
~ リップスティックが私たちに与えてくれるもの~
口紅は美の「始まり」であり、「すべて」である。思い出してみてほしい。「初めて買った化粧品は?」と聞かれたら、多くの人が「口紅」と答えるのではないだろうか。口紅はメイクアップにおける最初の一歩であり、王道アイテム。さらに言えば美を追求するための永遠のツールなのである。そう、メイクは口紅に始まり、口紅に終わると言ってもいい特別な存在。コロナ禍のマスク生活でリップメイクから遠ざかった日々も終わり、いま改めて考える口紅と私たちの関係を、各ブランドの新アイテムとともにひもといてみた。 【写真を見る】メイクアップブランドにおいても口紅は大切なアイテム。ケースの意匠にまで、ブランドの理念や思いがにじむ。この春の新作はここからチェック!
■口紅は「アイコン」である
私たちにとって口紅が特別な存在であるように、メイクアップブランドにおいても口紅は大切なアイテムだ。 なぜなら、ブランドを象徴するアイコンであり、それぞれの理念やエスプリを表現するアイテムでもあるから。口紅はどうあるべきかという理念やカラー展開、ケースの意匠にまでそうした思いがちりばめられ、口紅は時代を映し出しながら常に進化し続けているのだ。 メイクアップの概念を越え、メイクを施す所作や女性の生き方そのものを体現するエルメスのビューティー。6世代にわたってエルメスが紡いできたエスプリを内に秘めたアイテムが、「ルージュ エルメス」。 長きにわたって愛用できる「用の美」や、普遍的な価値が注ぎ込まれている。2024春夏リミテッド エディションでは、陽気さと芯の強さを兼ね備えた3色のマットなネオンカラーが登場。光のプリズムと共鳴する鮮やかな色合いのケースも新鮮だ。
■口紅は「生き方」であり「カルチャー」である
シャネルの創始者、ガブリエル・シャネルはファッションや女性の生き方にまつわる名言のほか、口紅をめぐる興味深いフレーズを残している。「悲しいときには、ルージュをまとって挑みなさい」 今日の口紅の原型とも言えるスティック型の口紅を開発。自らも口紅というアイテムのパワーを活用した彼女の言葉は、単なるメイク製品を越える口紅の意義と、私たちとの深い関わりを示唆しているようだ。 そんなシャネルから誕生する最新の限定リップがこちら。製品名である「ルージュ アリュール ヴェルヴェット ニュイ ブランシュ」のニュイ ブランシュ(NUIT BLANCHE)はフランス語で眠らない夜の意味があり、深夜0時から朝7時までの8時間を時間軸に沿って表現した8つのシェードで構成。 ここ数年、自粛せざるを得なかったナイトライフを楽しみたい人、その気分を味わいたい人におすすめのユニークなコレクションだ。夜明けまで暗闇の中で輝き続けるデザインをイメージ。黒で縁取られたマットな白のケースも、モダンで手に取りたくなる。