金田喜稔が中国戦を斬る!「苦しい展開でCKから2点を奪える。これが今の日本の強さだ。圧巻パフォの久保を代えずにプレーさせていたら…」
強いチームは、上手くいっていないゲームもモノにする
ただ一方で、ボランチの遠藤と田中は上下の関係がなくて、横だけのポジショニングにとどまっていた。守田が入ってくると、キャラクターも違うから変わるのかもしれないけど、そこは不安材料かな。 なんといっても、攻めあぐねていた展開で、時間のない前半の終盤にコーナーキックから2点を奪えることが今の日本の強さだよ。今までセットプレーから点が取れないと言われ続けていたのにね。板倉が決めた2点目もデザインされたものだったと思うし、約束された形だったんじゃないかな。 後半、立ち上がりの時間帯で中国に良い形から1点を決められた。大観衆も盛り上がって中国ペースになりかけたし、2-0から2-1になると、すごく嫌な雰囲気になって相手はイケイケになる。そんななかで伊東の正確なクロスから小川がダメ押しの3点目を決めた。 やっぱり強いチームというのは、上手くいっていないゲームも絵に書いたようにこうやってモノにするんだなと思ったね。 それと試合ごとに、毎回メンバーを変えられたのも良かったし、チャンスを与えられた選手が結果を出そうと必死にプレーしている姿にも好感を持てた。ベンチの選手も盛り上げていて、コーチングスタッフも含めて、チーム一丸となった全員の勝利だよ。チームが上手く回っていると感じた。 今回の勝利で日本はワールドカップ出場に大きく近づいた。ここまで苦労しない最終予選はこれまでもなかった。4年前、あんなに苦労したのに…。このまま最速で予選突破を決めてほしいね。 【著者プロフィール】 金田喜稔(かねだ・のぶとし)/1958年2月16日生まれ、66歳。広島県出身。現役時代はドリブルの名手として知られ、中央大在学中の1977年6月の韓国戦で日本代表デビューを飾り、代表初ゴールも記録。『19歳119日』で記録したこのゴールは、現在もなお破られていない歴代最年少得点である。その後は日産自動車(現・横浜)でプレーし、1991年に現役を引退。Jリーグ開幕以降はサッカーコメンテーター、解説者として活躍している。
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