家庭や職場でのストレスが関係することも!更年期を引き起こす要因/死んでも女性ホルモン減らさない!(6)
その症状、女性ホルモンのしわざかもしれません。 突然噴き出して止まらない汗、些細なことから始まるイライラ、急な体重の増加…自分でコントロールできない症状に悩まされていませんか? そんな様々な症状に悩んでいた著者・葉石かおりさんが診断されたのは「若年性更年期」。女性ホルモンのバランスが崩れたことで引き起こされていたものだったのです。 寒いのに止まらない汗、抑えられないイライラ…原因は女性ホルモン⁈/死んでも女性ホルモン減らさない! なんとなく不調を感じている方はもちろん、間もなくかもと不安を覚えている方やまだまだと思っている方も知っておきたい、女性ホルモンとの付き合い方をご紹介します。 ■一つだけじゃない女性ホルモン減少の要因 女性ホルモンの減少によって生じる更年期の症状は、人によって驚くほど違います。私のようにひどいホットフラッシュとイライラで悩まされる人もいれば、毎日悲しくて無気力になり寝込んでしまう人も。なぜ、こんなにも症状が千差万別なのでしょう? それは「三つの要因」が複雑に絡んでいるからです。 一つは誰にでも共通する身体的要因です。エストロゲンの急激な減少によって、ホットフラッシュや動悸といった症状がカラダに現れます。二つめは心理的要因。いわばその人の性格によるものですが、「幼い頃にどう育てられてきたか」という要素も関係しています。三つ目は社会的要因です。職場におけるポジション、人間関係でのストレス、家庭におけるストレスも影響します。これら三つの要因を総合的に考え、医師と相談しながら治療していきましょう。 ■更年期症状を引き起こす「三つの要因」 更年期の症状が人によってさまざまなのは、人によって重なる要因が異なるから。何が原因になっているかを、自分と向き合うことで明確にし、対処していきましょう。 【身体的要因】 卵巣機能の低下によって、女性ホルモンの分泌がスムーズにいかなくなることが要因。特にエストロゲンが急激に減少することで、生殖機能、自律神経系、心血管系などに作用し、多くの不調が現れます。 【心理的要因】 元々の性格や思考のクセ、また幼い頃の家庭環境も大きく影響します。細かいことにクヨクヨしてしまう方は症状が強く出やすく、逆にあっけらかんとしている方は症状が出にくい傾向にあります。 【社会的要因】 職場での人間関係、セクハラやパワハラ、そしてまた家庭でのストレスが関係しています。子どもが自立したことによる空の巣症候群、親の介護によって環境が変わることが原因となることも。 <著者>葉石かおり エッセイスト/フェムテックエキスパート ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て現職に。2018年より「酒と健康」を核に「日経gooday」にて医師に取材した記事を寄稿。『酒好き医師が教える最高の飲み方』『名医が教える飲酒の科学』がシリーズ累計18万5000部のベストセラーに。イギリス、イタリアをはじめ海外でも翻訳出版される。若年性更年期の経験・フェムテックエキスパート・著書『死んでも女性ホルモン減らさない!』の著者としての視点から、“更年期を幸年期に!”をテーマに各企業でセミナー、講演活動を行う。NHKスペシャル、朝日新聞などのメディアにも出演。2024年3月、京都橘大学健康科学部心理学科を卒業(通信)。認定心理士の資格を生かし、酒と心身の健康、アルコールハラスメントやコンプライアンスをテーマにした講演、社内研修、セミナーを各社で行っている。 <監修者>吉野一枝 よしの女性診療所院長/産婦人科医 臨床心理士の資格をもち、社会経験を生かした、女性の心の悩みに寄りそう治療に定評がある。日々の診療の傍ら、「女性医療ネットワーク」や講演、各種メディアを通して、女性の健康の啓発のために積極的に活動を行う。著書に『母と娘のホルモン Lesson』(メディカルトリビューン)、『40歳からの女性のからだと気持ちの不安をなくす本』(永岡書店)などがある。 ※本記事は葉石かおり著の書籍『死んでも女性ホルモン減らさない!』から一部抜粋・編集しました。 著=葉石かおり/『死んでも女性ホルモン減らさない!』