中国産マグネシウム対日販価、低位横ばい・2500ドル大底か
中国産マグネシウムの対日販価が低位横ばいを続けている。足元の対日価格は2600~2630ドルどころ。需給環境に大きな変化がなく、6月から2500~2650ドルの狭いレンジで推移している。しかし供給サイドが価格維持政策を実施し始めているため、2500ドルが大底になる可能性が出てきた。 需給環境は依然として生産過多状況にある。中国の7月生産量は7万1836トン、8月も7万3404トンで年間84万トン以上のペースを維持している。一方で需要は、輸出向けがコロナ前の年42万トンに回復しているほか「中国内需もチタン還元用途が電解リサイクル法の普及で年5万~6万トンの需要を失ったが、そのほかが若干回復して年40万トンペースだと見ている」(タックトレーディングの上島隆会長)といい、2万トン程度の供給過剰状態。これに生産者在庫5万~10万トンが加わる格好となっている。 このような需給緩和状態が続いたため、しばらく大きな価格変動がなかった格好だが、「ここ2週間で陝西省では2500ドルを〝絶対維持レベル〟として値崩れ防止方針を打ち出している。これにより価格は、2530~2550ドルから価格維持政策のターゲットである2600~2630ドルまで上昇した」(同)ようだ。 目先については、「価格維持政策が実れば2500ドルが大底になる。2500~2650ドルのレンジで推移するのではないか」(同)とした。