首都圏の路線がJR東ワーストの赤字路線に 今週一週間の鉄道ニュース
一週間の鉄道ニュースの中から、鉄道コム注目の話題をご紹介するこの連載。今回はまず、JR東日本の赤字路線のニュースについて取り上げます。 【画像】JR東「ワースト線区」の末端駅 JR東日本は10月29日、2023年度における、利用者が少ない線区の経営情報を開示しました。同社で最も最も収支率が低いのは、久留里線の久留里~上総亀山間。収支率は0.7パーセントで、収支は2億3500万円の赤字。100円の収益を得るために必要な経費を表す「営業係数」は、1万3580円となっています。 久留里線は、千葉県内を走る首都圏の路線。ですが同線は、1989年度以降は、利用者の減少が続いており、特に久留里~上総亀山間の末端区間では、2023年度は1日あたり平均64人しか利用していないという結果が出ています。この状況に対し、JR東日本は2023年3月、千葉県などに対し、同区間の今後に関する議論の実施を申し入れており、これまでに会議が複数回開催されてきました。 今回の発表の直前、10月21日には、この検討会議の第5回が開催され、検討会議の報告書案が示されました。この最終結論では、「当該地区で提供されている交通サービス(鉄道・高速バス・デマンド交通など)は、これらの移動需要に適していないことがわかった」「自動車中心の交通体系への移行により、より利便性の高い地域公共交通が実現すると考えられる」「これらを踏まえ、これまでと同等又はそれ以上の利便性と持続可能性を有する地域公共交通の構築に取り組んでいくべきである」とされており、自動車中心の社会となった久留里線末端区間周辺における課題が浮き彫りとなっています。 もう一つご紹介するのは、相模鉄道の鉄道撮影イベントのニュースです。同社は11月1日、画像編集ソフト「Photoshop」などで知られるアドビと共同で、「楽しく撮り鉄! 生成AIで鉄道写真をもっと簡単に!」イベントを開催すると発表しました。 このイベントは、車両の撮影会などに加え、生成AI技術を搭載したアドビのデザインアプリ「Adobe Express」により、写真に写り込んだ不要なものの除去を体験できるワークショップを開催するものです。 近年は撮り鉄のトラブルが多く発生し、刑事事件に発展したものもあります。中身はさまざまですが、中には「撮影の邪魔なので木を伐採した」などというものも。これに対し、相鉄とアドビでは、生成AIで障害物を除去できる機能を紹介することで、安全な鉄道撮影の啓発につなげることを目指しています。 イベントは、11月24日の開催。料金は無料ですが、定員は30人で、抽選制での受付となります。
西中悠基