大腸がんや肝臓がんのリスクが「禁酒」で大きく減少
禁酒治療を受けた人は発症リスクが4割低下
条件を満たしたのは、男性1026万56人と女性1373万9369人でした。このうち男性の6.3%、女性の1.6%がアルコール依存症患者でした。アルコール依存症患者のうち、男性38.0%と女性40.0%が治療歴ありで、それらの57.7%(男性)と54.9%(女性)が、13日間(中央値)入院してリハビリを受けていました。 2018~2021年に初めて飲酒関連がんと診断された人は、60万2199人(全体の2.5%)でした。アルコール依存症に対する治療歴がある患者では、男女ともに飲酒関連がんのリスクが大きく低下しており、全体では男性で42%、女性では38%減少していました。個々のがんについても、リスク低下は統計学的に有意でした(表1)。 今回の研究では、アルコールリハビリまたは禁酒は、飲酒関連がんのリスクを減らす上で明らかな利益があることが示されました。アルコール依存症患者が治療を受けることに加えて、習慣飲酒から依存症への進行を防ぐことも、飲酒関連がんの予防において重要と考えられます。 *1 Schwarzinger M, et al. Lancet Public Health. 2024 Jul;9(7):e461-e469. (大西淳子=医学ジャーナリスト)