定年後の収入は夫婦で「15万円」です。収入が少なくても「住民税非課税世帯」なら暮らしていけますか? どのような優遇措置があるのでしょうか?
国民年金のみに加入している個人事業主やフリーランスといった人の場合、将来受け取れる年金が少ない傾向にあります。その際に受け取る年金額が一定基準以下の場合は、住民税非課税世帯に該当し、さまざまな優遇措置を受けられます。 本記事では、住民税非課税世帯の条件と適用された場合の優遇措置について解説していきます。年金生活が近づいてきている個人事業主やフリーランスの人はぜひ参考にしてください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
住民税非課税世帯の条件は?
住民税非課税世帯となる条件は自治体ごとで異なります。今回は神戸市の基準を参考にみていきましょう。神戸市では、前年の合計所得が次の計算式で求められた金額以下の人が住民税非課税となります。 ・35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の人数)+10万円+21万円 ・同一生計配偶者・扶養親族がいない場合の住民税がかからない限度額は45万円 例えば、65歳以上の夫婦2人暮らしの場合は次の計算で求められます。 35万円×2+10万円+21万円=101万円 この101万円に加えて、65歳以上の場合は公的年金控除110万円が設けられており、これを合計すると211万円になります。 つまり、配偶者を扶養している人の場合は年金収入211万円までであれば住民税非課税世帯に該当します。なお、住民税非課税世帯は世帯全員が住民税非課税に該当する必要があり、世帯主が住民税非課税に該当していても、配偶者が住民税非課税でなければ住民税非課税世帯にはなりません。 その場合は、妻の年金所得は45万円以下であることが条件です。これに公的年金控除110万円を加えると妻の年金収入は155万円までとなります。 ■高齢夫婦2人で年金が月15万円の計算例 では、夫の年金受給額が毎月10万円、妻が5万円を受給しているケースをみていきましょう。夫の年金は年間120万円となり、上限額211万円を下回っているため住民税非課税に該当します。一方の妻に関しても年間の年金収入が60万円となり、公的年金控除110万円を差し引くと上限額45万円を下回るため、住民税非課税に該当します。 よって、夫婦ともに住民税非課税に該当するため、住民税非課税世帯として認定されます。