息子のためリングへ…日本初の“全盲のプロレスラー”がデビュー 39歳男性が10年越しの夢を叶えられた理由
大舘さんは毎週水曜日に、先輩レスラーと練習試合です。入門から半年が過ぎ、多くの仲間ができました。
練習試合は50回を超え、諦めないその強さでデビュー戦が決まりました。10年越しで叶える、プロレスラーとしてのデビューです。 大舘さん: 「(目が)見えない人がプロレスラーになるのは、無謀な感じじゃないですか。必死に戦っている姿を見て、皆さんがやりたいこととか、一歩踏み出せないことがあったら、そういう後押しというか、元気や勇気が与えられたらうれしいなとは思っています」
■「すごかった」「辛くても頑張れる気に」…長男も観客も勇気づけたデビュー戦
7月28日、名古屋市千種区の今池で開かれたプロレス大会「愛・プロレス博」。東海地方を中心に、全国で活躍するレスラーが集りました。
会場は「満席」で、大舘さんの妻、恵津子さんと、長男のしゅんくんの姿もありました。
そして、大舘さんが入場。家族や多くの人に支えられて、辿り着いたデビュー戦です。
相手は、20年以上のキャリアがある「ガンバレ☆プロレス」の大家健(おおか・けん)選手。
大舘選手は、先手を取って攻めますが、コーナーで頭を打ち付けられたり、関節技を決められ、いきなりピンチに。
すると…。 観客: 「まっすぐまっすぐ!」 「前へ前へ」 観客の声を頼りにロープに逃れ、ここから反撃。 柔道をベースにした「大腰(おおごし)」に、憧れの小橋さんの得意技「逆水平チョップ」。
やられても、やられても、諦めない姿を息子へ。
しかし、初戦を勝利で飾ることはできませんでした。 観客: 「裕太!裕太!裕太!」 観戦した女性: 「感動した!すごくよかった。また応援するね、頑張ってね」 観戦した別の女性: 「限界とか決めずに、色んなことに幾つからもでも、挑戦できるんだと思って、頑張らなきゃいけないなと思いました」 観戦した男性: 「あした仕事で色々あるんですけど、辛くなってもこれで頑張ろうと、乗り切れる気がします」 大舘さん: 「練習した通りを出すのは、難しいですね、体が…」 試合を見た長男のしゅんくんは…。