「自分に合う仕事が見つからない人」が抱えている潜在意識の共通点
脳トレワーク「現在」ワーク(マインドフルネス)
ポジティブな潜在意識に書き換える方法の1つが「マインドフルネス」です。これが最も基礎的なワークになります。 マインドフルネスとは「今、この一瞬」に集中している状態のことです。多くの人が「座禅を組んで、無我の境地を目指す、神秘的な修行」という、とても難しそうなイメージを抱きやすいのですが、それは誤解です。 マインドフルネスは、あくまで「何か1つのことに集中している状態」のことであり、集中できるなら、姿勢や方法にこだわる必要はありません。もちろん、座禅を組む必要もありませんし、そもそも「無我」になる必要もありません。たとえば、スポーツをする、絵を描く、歌を歌うなど、1つのことに集中している状態であれば、それはマインドフルネスなのです。 このマインドフルネス状態を、自ら作り出せるようになると、仕事で最高のパフォーマンスを発揮できるほか、ストレス耐性や自己肯定感、感情コントロール力が高まることが、世界中のあらゆる研究で明らかになっています。 マインドフルネスは、その効果の高さや再現性から、前述したとおりグーグル、アップル、ヤフー、メルカリ、メタ(旧フェイスブック)、インテルなど、世界中の一流企業が社員のパフォーマンスを高めるために取り入れています。 このマインドフルネスの力が「自分にも天職が見つかる」という前向きなメンタルを醸成するため、天職探しには欠かせないものだと、私は考えています。 本稿では、このマインドフルネス力を身に付けるワークを「現在」ワークと呼んでいます。「今、この一瞬」に集中できることを目指すからです。 「現在」ワークの取り組み方は簡単です。どんなことでもいいので、自分が決めたことだけに没頭し「集中」してください。 たとえば、散歩ならば「左足、右足、左足、右足」と、自分の「足」を顕在意識に従って動かしてみましょう。ここでポイントになるのが、能動的に頭を働かせることです。何も意識せず、ただ歩くのは潜在意識の営みです。 一方「左足、右足、左足、右足」と心の中で、もしくは声に出して唱えながら、足を動かすというプロセスを踏むのが、顕在意識への働きかけとなります。それが、あなたのマインドフルネス力を高めます。 また、「呼吸瞑想」もおすすめの「現在」ワークです。 呼吸瞑想は、次のような手順で行います。 【呼吸瞑想の手順】 ①背筋を伸ばして目を閉じた状態でいすに座る ②鼻から3秒かけて息を吸う ③1秒息を止める ④鼻から6秒かけて息を吐く ただ呼吸をしているだけでは散歩同様、潜在意識の領域ですが、息を吸う、吐くという行為にきちんと意識を向けることで、マインドフルネス力が高まっていきます。 簡単なマインドフルネスに慣れてきたら、ドラマの世界に没頭するマインドフルネスにチャレンジしてみるのもおもしろいと思います。受け身でドラマを見るのではなく「次は、こんな展開になりそうだ」など、ドラマの行く末を予想しながら鑑賞するのです。 この登場人物は「なぜ、こんな発言をしたんだろう」と、言葉の裏を想像してみるのもいいと思います。雑念が入ったら「集中、集中」と心の中で唱え、ドラマの世界に意識を戻してください。ドラマの世界に没頭しつつ、展開を予想することで、マインドフルネス力が高まっていきます。 そして、呼吸瞑想にせよ、ドラマに没頭するトレーニングにせよ、どれだけ集中しようとしても、途中で必ず雑念が入ってきます。慣れるまでは、30秒に1回、もしくはそれ以上のペースで「関係のないこと」が頭に浮かんできます。「明日の予定なんだっけ」「外から救急車の音が聞こえる」「今日の仕事は大変だったなぁ」といった感じです。 ここで大切なのは「雑念が入ってはダメ」ということではなく、雑念が入ったらなるべく早く自覚をして、「集中、集中」と心の中で唱え、ワークに意識を戻すことです。 「雑念が入ったら集中し直す」を反復することこそが、まるで腕立て伏せのようにマインドフルネス力を強化するのです。ワークとして取り組む内容は何でも構いませんが、以下の例を参考にして「1日5~10分」くらいを目安に取り組んでみてください。