「自分に合う仕事が見つからない人」が抱えている潜在意識の共通点
多くの人が抱える「天職が見つからない」という悩み。その原因は、実は「潜在意識」にあると、安廣重伸さんは語ります。本稿では、書籍『今すぐ会社を辞めたい人の天職診断』より、潜在意識のしくみや、ネガティブ思考を書き換える手法を紹介します。 日本の働き方は改善しているのか? 長時間労働の実態 ※本稿は、安廣重伸著『今すぐ会社を辞めたい人の天職診断 パーソナルタイプから導く隠れた才能の見つけ方』(KADOKAWA)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
天職に出会えない理由は「潜在意識」にあった
天職と出会うためのカギが「潜在意識」です。潜在意識を書き換えることで、叶えたい現実を引き寄せる力が高まるのです。潜在意識は、私たちが自覚できていない意識・願望のことであり、人間の意識の約95%を占めていると言われています。 たとえば、お風呂に入ったとき「首から洗って、腕を洗って、最後に足を洗おう」などと考えることはありません。しかし、無意識にいつも同じ手順で体を洗っているはずです。また、車の運転をするとき「アクセルは右で、ブレーキは左」などと常に意識しながら運転しないでしょう。何かあれば、とっさにブレーキを踏むことができます。 このように、脳が消費するエネルギーを最小限にとどめたり、とっさの危険を回避したりするために、脳内では常に潜在意識が働き、あらゆる行動を「制御」しているのです。 一方、顕在意識は、人間の意識の5%程度と言われています。自覚できる意識のことであり、何か新しいことを覚えるときなどに使われます。 さて、天職を見つけるために、潜在意識を書き換える必要があるのは、なぜでしょうか。 それは潜在意識がネガティブのままでは、天職があなたの目の前に近付いてきても、気付かずに見過ごしてしまうからです。たとえ気付いたとしても「これは天職ではない気がする」と考え、素どおりしてしまうことが往々にしてあります。 潜在意識に「どうせ自分には天職なんてない」「転職しても失敗するかもしれない。嫌だけど今の仕事を続けていたほうがいい」などネガティブな心理が隠れていると、どんな仕事も悪い部分ばかりに目を向けてしまうのです。重箱の隅をようじでほじくるような潜在的リスクを心配して、「この仕事はやめておいたほうがいい」という結論を下しやすくなります。 なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。それは、潜在意識というものがリスクを過度に恐れ、失敗しづらい道を選ぶ性質があるからです。この特性により、天職探しも阻まれてしまうのです。 太古のホモ・サピエンスは、自分たちを襲う捕食者がいる野生環境の中で、常に「死」と隣り合わせでした。そのため、どちらに転ぶかわからないチャレンジは避け、「失敗のリスクが低い確実な方法」や「過去に成功した方法」を選ぶことで生き延びてきました。つまり、マイナス思考は「死を回避するための本能」であり「戦略的進化」とも言えるでしょう。 このように、潜在意識が私たちのDNAに深く刻み込まれた本能と理解すれば、天職探しをせずに「現状維持」に傾くのは自然なことなのです。 誰もが、生存確率を高めるために、本能に従って、一歩を踏み出すことを避けがちです。そのため、天職を見つけるには潜在意識をポジティブに書き換える必要があります。新しい道を選んだっていい。自分にはもっと可能性がある。失敗しても、仕事はいくらでもある。このように、前向きな潜在意識に書き換えることが大切なのです。