ほぼ完全に実用レベルの電動バイク、エネルジカ「EGO+ IVYエディション」に試乗! 通勤もツーリングもイケる!! ※ただし700万円
いちばん電費に厳しい高速道路でも片道100kmくらいなら余裕
高速道路での電費は、80km/h巡航でも100km/h巡航でもあまり変わらず、20km走るとメーター上の残量が10%ほど減る。つまり、実測値で満充電1回あたり200kmということになる。しかし、これをもって『公称値の半分じゃん』と断じるのは早計だ。 じつは、一定の速度で走り続けることで回生ブレーキが使えない高速道路は、電費にもっとも厳しいステージ。エネルジカのマシンで欧州の高速ツーリングを経験したという金城さん(IVYレーシング代表)によれば、160km/hを超えると電費が悪化するらしいが、120km/h巡航くらいでもあまり変わらないという。 ちなみに、街乗りのように回生ブレーキが使える状況にあれば、走り方次第で40km/10%に近くなる。つまり、公称値の航続距離420kmを達成するのは難しいにしても、近いところまではいけそうである。また、ワインディングでも回生ブレーキが使えるので、思ったほど電費は悪化しなかった。 そんなこんなで、スタートから約104km走行してEXPASA足柄に到着。バッテリー残量は29%だったので、平均電費は20.8km/10%だったことになる。……って、平均電費の表記はこれでいいのだろうか……。 EXPASA足柄に寄ったのには理由がある。それは、急速充電器が置いてあるからだ。チャデモ規格の急速充電ポートを備えるエネルジカのマシンは、四輪EVと同じ駐車スペースを使いながら充電することができる。 ──乗ってきた自分でさえも見慣れない光景にちょっとおかしくなる。 四輪の外国車と同じように、充電器によっては一部相性でエラーが出ることもあるらしいが、幸いにもエラーはなく充電開始。カードをかざし、確定ボタンを押すと30分の急速充電がスタートする。 ──車両と一緒に借りてきた日産のカードでキャッシュレス手続き。初めてだったが操作は難しくなかった。 もちろんEVスペースに停めていると怪訝な顔で見られたりもするが、たいていは好意的で「これ電気なんですね!」なんて話しかけられることも。 トイレ休憩をとり、カメラマンと撮影の打ち合わせをしながら缶コーヒーを飲んだりしてると、30分はストレスなく待てるギリギリの時間だとわかった。いや、筆者が比較的せっかちな性格ということを考えれば、人によってはもう少し待てるのかもしれない。 30分後、バッテリー残量は43%ほど回復し、残り72%に。ツーリング開始時点が79%だったことを思えば、もし満充電で出発していれば足柄で90%を超えるまで回復できていたことになる。これは心強い。 ──シート下に2つの充電ポートがある。小さいほうは一般的な家庭用電源で使える専用充電器に適合し、大きいほうがチャデモ規格になる。 ──こちらは充電途中に撮影したので40%になっている。左のほうには「あと30分で80%まで充電できます」的な表示も。 EXPASA足柄から最寄りの御殿場ICで一般道に下り、置き撮りなどするために御殿場市内をしばし走り回ることに。ここでは撮影のためにヘッドライトを点けっぱなしにしてしばらく置いておいたりしたが、一般的なバイクのように灯火類による電力消費を心配する必要はなかったようだった。なにしろ積んでいるバッテリーの大きさが桁違いである。 いざ、ワインディングロードへ。