ロッテ・コペッキーが2連覇でアルカンシエル防衛! 雨とライバルの攻撃に苦しむも冷静に立ち回って小集団スプリントを制する【Cycle*2024 UCI世界選手権大会 女子エリートロードレース:レビュー】
残り5kmでのロンゴボルギーニのアタックで他の5人が一瞬牽制したものの、フォレリングみずから脚を使って引き戻す。これによって押し出されるようにして先頭を牽き続ける格好となり、対照的にコペッキーはスプリントに備えて後ろに潜む。残り1kmでのローズマンギャノンのアタックもフォレリングがチェックして、6選手のまま女王の座をかけたスプリント態勢に移った。 フィニッシュに向け、一番に腰を上げたのはロンゴボルギーニ。残り200mで加速をすると、同時にスプリントが始まった。ロンゴボルギーニにフォレリングとコペッキーが並び、その脇からはダイガートも上がってくる。
こうなると、誰よりもスピードに勝るのはコペッキー。4時間を超える激戦にピリオドを打ったのは、トラック競技でも強さを誇る速さとテクニック、そして女王の貫禄だった。世界選手権2連覇である。
「エネルギーがいくらあっても足りないと感じるレースでした。上りでは体が温まるのですが、下りで冷えてしまうのです。それを繰り返しているうちに、完全に凍えてしまって何もできなくなりそうでした。とにかく冷静に、余計なことは考えず、最後まで走り切ることに集中しました」(コペッキー)
レース終盤、上りで一度は終わったかに思われたが、時間をかけながら先頭復帰。そして、それまでの消耗を感じさせない最後のスプリント。明らかにこの日1、2を争う強さを見せていたフォレリングとロンゴボルギーニとの違いは何だったのだろうか。
「パニックにならないよう努めたことと、ペースを維持したことが大きな理由だと思います。あとは…デミ(フォレリング)は少し焦っているように見えました。エリーザ(ロンゴボルギーニ)がアタックしたときも、ローズマンギャノンを追ったときも、勝ちたいと思うあまり脚を使いすぎていたのだと思います。私にとっては理想的な状況でした」(コペッキー)
昨年に続き、表彰台ではマイヨ・アルカンシエルに袖を通した。もう一年、女王の座に君臨する。
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