ロッテ・コペッキーが2連覇でアルカンシエル防衛! 雨とライバルの攻撃に苦しむも冷静に立ち回って小集団スプリントを制する【Cycle*2024 UCI世界選手権大会 女子エリートロードレース:レビュー】
これで精鋭15人まで絞られると、キャロライン・アンデション(スウェーデン)の単独アタックをきっかけに、入れ替わるようにしてマルクスとジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー)が先頭に立つ。ここにルビー・ローズマンギャノン(オーストラリア)と集団に戻っていたフォスとが追いついて、4人が先頭パックを形成。スピードを緩めたメイン集団とは1分差となって、最終周回の鐘を聞いた。 数的優位のオランダは、このまま4人が逃げ切るケースを想定し、マルクスがフォスのために牽引。同時に、メイン集団に残るフォレリングの合流を待つ。ベルギーも、ヘキエーレがコペッキーを待ちながら先頭を走り続ける。
メイン集団では上りで自然発生的に分断が起こったのを機に、単騎となっていたロンゴボルギーニがアタック。フィニッシュまで20kmを残した仕掛けにフォレリングが反応した一方、コペッキーが続かない。これを見てフォレリングも踏み込むと、ロンゴボルギーニと協調して先頭に追いついた。
優位に立ったかに思われたフォレリングとロンゴボルギーニだが、それまで逃げていた選手たちがなかなか同調せず、2人で先頭交代を繰り返すような状況。マルクスとフォスがフォレリングのために牽引を引き受けるものの、そう長くは続かない。フォレリングが苛立ちを募らせる間に、テンポで追ってきたクロエ・ダイガート(アメリカ)、さらにはコペッキーも上がってきた。
勝負どころに備え、それまで着ていたレインジャケットを脱いだフォレリング。短い急坂で強く踏み込むが、コペッキーやロンゴボルギーニはこの動きを読んでいた。かたや、それまで後退と合流を繰り返していたフォスやマルクスが完全に脱落。フォレリングはチームメートを失った。
チューリッヒのフィニッシュラインめがけてのダウンヒルでは、下りを得意とするコペッキーがスピードアップ。これで完全に後続を引き離すと、先頭に残ったのは6選手。コペッキー、ダイガート、フォレリング、ロンゴボルギーニ、ローズマンギャノン、そしてリアヌ・リッパート(ドイツ)。この中から、今年のアルカンシエル獲得者が決まる。
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