Netflix上陸でどうなる? テレビと融合で変革するネット動画配信サービス
米国動画配信サービス大手の「Netflix(ネットフリックス)」が今秋に日本市場に参入することが発表され、動画配信サービス市場の今後に注目を集めていますが、このNetflixを迎え撃つ日本の動画配信サービス市場では最近どのような動きがあるのでしょうか。そのキーワードは、テレビ局の積極的なネット動画配信への参入です。動画配信サービス大手「Hulu(フールー)」などへの取材を元に、最近の動向についてレポートします。
市場は順調に成長、2020年には2000億円市場に
野村総合研究所がまとめたところによると、2014年度の日本国内における動画配信サービス市場の規模は約1343億円。今後も堅調に成長が続き、2020年には2006億円にまで拡大すると予測しています。一方、米国の調査会社Markets And Marketsによると、世界の市場規模は2014年で253億ドル(約3兆300億円)。2019年には614億ドル(約7兆3700億円)にまで成長すると見込んでいます。比較すすると日本市場と世界市場の成長速度には大きな差が見られますが、この差が日本市場にとって予測を超える成長の可能性を秘めた大きな“伸びしろ”であると言えるでしょう。 日本国内における動画配信サービスが大きな転換点を迎えたのは、2011年。スマートフォンやタブレット、デジタルテレビの普及拡大を背景に、米国でシェアを急速に伸ばしていた「Hulu」が日本国内でサービスを開始し、動画配信サービスに対する関心が高まりました。当時はレンタルビデオを利用したりCS放送などを契約したりしなければ楽しめなかった人気映画や海外ドラマを、“マルチデバイスに対応し、定額でいつでも好きなだけ楽しめる”というコンセプトが人気となり、インターネット業界だけでなく、NTTドコモの「dビデオ(現在のdTV)」、KDDI(au)の「ビデオパス」といった通信キャリアの参入や、「NHKオンデマンド」や民放各局の公式動画配信サービスといった放送業界の参入、ソフトバンクとエイベックスが共同設立した「UULA」の登場といった市場のプレイヤー増加と利用者数拡大の起点となりました。