グーグルの生成AIサービスアプリが「Gemini」がiPhoneアプリに、スマートフォンのプラットフォームを巡るAI競争へ
そして今後は、生成AIをベースとした検索利用も大きな要素となってくる。 11月末現在は一般公開されていないものの、アップルは年内に、Apple Intelligenceに「ChatGPTとの連携機能」を実装する。 Apple Intelligenceは、基本的にはクラウドに依存せず、機器内で処理を行う。しかし、複雑な検索や問いかけなどについては、あえて自社サービスを使わず、ChatGPTへと質問を送って処理する仕組みを導入する。ChatGPTへ情報を送るときにはユーザーの許諾を求める形にし、プライバシーも確保する。
アップルはOpenAIと提携しており、Apple IntelligenceでのChatGPTの利用について、アップル側に費用負担が発生しない契約になっている……といわれている。利用するユーザー側も、ユーザー登録や課金は求められない。ただし、元々ChatGPTの登録者である場合には、IDを入力してサービス連携を行うことも可能だ。 Apple IntelligenceとChatGPTの連携がスタートすると、アップルとグーグルの蜜月に変化が現れるのでは……という見方もある。
■AI連携は「Geminiにも開放」。標準設定争いが激化か ただこの話も、「アップルがOpenAIへ乗り換える」「アップルはAIでChatGPTに依存する」と考えると、実情からはズレが出てくる。 実は、Apple IntelligenceにおけるChatGPTの利用は「エクスクルーシブな契約ではない」のだ。 アップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるクレイグ・フェデリギ氏は、今年6月に行われた開発者会議「WWDC 2024」で以下のように説明している。
「アップルの枠の外で強力なAIモデルを使いたい場合もあるだろう。その場合には、好みのものを選びたいはずだ。だから最終的には、ユーザーが選択できるようにしたい。例えばグーグルのGeminiとも連携できるようになる」 要はこう考えればいい。 前出のように、Safariでは検索エンジンとして「グーグルが初期設定」されている。しかしこれは変更が可能で、好きなサービスを選べる。同様に、スタート時点ではApple Intelligenceと連携するAIはChatGPTになっているが、その後のアップデートにて、好きなAIを、検索エンジンを選ぶように切り替え可能にしていくわけだ。