グーグルの生成AIサービスアプリが「Gemini」がiPhoneアプリに、スマートフォンのプラットフォームを巡るAI競争へ
Safariにおける初期設定が大きな影響を持っているように、「将来のApple IntelligenceでどこのAIが初期設定になるか」の陣取り合戦は起きるだろう。だがまだ席は決まっておらず、OpenAIとグーグル、または他のサービスが競争していく状況にある……と考えられる。 こうした部分は、当然ながら、「支配的なサービスはどこになるのか」という話に大きく影響する。だから、各国でのプラットフォーム規制議論にも関わってくる、少しやっかいな話ともいえる。グーグルには不利な状況といえるかもしれない。
冒頭で挙げた「Gemini」アプリは、あくまで1アプリとして企画されたもの。アプリを提供する部門の担当者から見れば、AI事業者同士の綱引きとはさほど関わり合いがない……と思っていることだろう。 とはいえ、早期からアプリを提供し、いろいろなプラットフォーム上で使えるようにしておくことは、サービス競争の面で有利な要素になる。「標準設定競争」の中でも、ユーザーをひきつける要因になる。だから、「あくまで1アプリ」の話ではあるのだが、大きなサービス競争と無縁ではいられないのである。
西田 宗千佳 :フリージャーナリスト