県内唯一の女子校の中村女子高が26年度から完全共学化、来年度から山口中村学園高に改名【山口】
中村女子高(鶴永幸彦校長)は9日、2026年度から普通科と商業科を男女共学化すると発表した。来年度の一部学科に続いて完全共学化となる。同校で記者会見した合志栄一理事長は「時代の要請に応えての対応。性差に関係なく地域に活躍できる人材を輩出したい」と意気込みを示した。 同校は、来年度から山口中村学園高と改名し、看護、福祉、調理の3学科の男女共学化を決定している。 鶴永校長は全学科の共学化の理由として、少子化の影響で生徒数の確保が困難になる見通しの中、先行した3学科の募集状況が順調で、昨年夏に実施した男子生徒を交えたオープンスクールも好評だったことを挙げた。 在校生とその保護者には既に書面などで説明した。今のところ否定的な意見は無く、教職員を含む内部での調整でも前向きな声が上がったという。鶴永校長は「実際の共学が始まってないのにいきなり全面実施に移ることに対し、反対意見は無く、社会情勢や大学において共学化の流れがある中でこの決定を後押しする声ばかりだった」と述べた。 定員は現行の普通科90人、商業科40人に変更はない。普通科は来年度新設する美容コース25人と進学から変更された学際とファッションコースの計65人を募集する。 男子生徒の受け入れ体制に向けて体育館のトイレ改築を行い、本館のトイレなどは入学する男子生徒数に応じて対応を検討していく。 同校は1867年に創始者の中村ユスが裁縫塾として設立。現在県内で唯一残っている女子高。