2033年度に鵜ノ島小、藤山小・中を統合へ 市立校の適正・規模配置計画示す【宇部】
宇部市教育委員会は2日、市立小中学校適正規模・適正配置計画の概要を発表した。人口が減少する中、児童・生徒の学びの保障を最優先に考えた計画で、期間は今年度から2033年度までの10年間。33年度に鵜ノ島小、藤山小、藤山中を統合して市内初となる施設一体型小・中一貫校または9年制の義務教育学校を開校するなどの具体的な再編スケジュールも盛り込んだ。 1月に市立小中学校適正規模・適正配置審議会(鷹岡亮会長)が、一つの小学校の児童が同じ中学校に進学する中学校の通学区域変更など、学びの環境を重視した規模の適正化案と、校舎の建て替えに合わせた施設一体型小・中一貫校または義務教育学校の設置が望ましいという方向性を野口政吾教育長に答申した。 これを受け、市教委は計画の策定に着手。常盤中と西岐波中に分かれる常盤小は西岐波中、桃山中と藤山中に分かれる鵜ノ島小は藤山中に進学するよう見直した。上宇部中か常盤中に進学していた琴芝小は神原中の通学区域となり、琴芝1区から1-10区の地域は恩田小通学区域に変更し、中学校区は常盤中となる。 規模適正化に向けては、鵜ノ島小、藤山小、藤山中の2小1中、見初小、神原小、琴芝小、神原中の3小1中を、それぞれ施設一体型小・中一貫校か義務教育学校として統合。前者は33年度の開校を予定。後者は37年度をめどに開校を目指すという。 北部地域の小野、二俣瀬、厚東、吉部、万倉の5小学校については、29年度時点で5年先までの児童数を確認し、住民基本台帳上の推計値で将来的な推移が全校で12人未満の見込みとなった時に、小・中一貫校の整備での適正化を推進していく。 恩田小との区域変更により適正化を図るよう提言のあった岬小は、変更しても2学級以上の望ましい学校規模基準に満たない学年が多くなることが判明。計画期間中では適正化は行わず、小規模校のメリットを生かした教育の充実を図り、現在の環境を維持する。 適正化の対象となる各中学校区では、今月から地域説明会が始まり、住民に計画内容を周知。来年度から各再編地域で協議会を立ち上げ、地域の意見を吸い上げながら計画を進める。中学校区の通学区域変更は27年度にスタートする。 野口教育長は「地域にはしっかりと説明し、住民への理解を求めていきたい」と述べた。