イプシロンロケット2号機打ち上げ準備状況説明会(全文1)開発のコンセプト
イプシロンの開発コンセプト
さて、イプシロンの開発コンセプトなんですけれども、言い方はたくさんあるんですけれども、一言で言うと高性能でコンパクトなロケットデザインということになるんですけれども、われわれロケットを開発する人間の立場からすると「未来を拓くロケット開発」。宇宙ロケットの未来、あるいは宇宙開発利用の未来を開くような新しいことに挑戦していきましょうということなんですね。もうちょっとブレークしてお話しすると(1)のところなんですけれども、イプシロンが目指すところの一番分かりやすい表現は、ロケットを打ち上げる仕組みをなるべくシンプルにして、簡単に上げられるようにして、皆さんの宇宙への敷居を増やしていこう、皆さんが宇宙に挑戦する頻度、そういったものをどんどん上げていきましょうと、そういうことなんですね。 で、結果として(2)、ちょっと硬い言葉で書いてありますけれども、イプシロンで打ち上げる衛星っていうのは小型衛星なんですけれども、小型衛星っていうのは単に小さいだけではないんですね。開発期間は短く、それからコストも安く、なるべくタイムリーにいろんなことに挑戦していきましょう。それが小型衛星のコンセプトなんですね。そういった小型衛星のコンセプトにばっちり応えるというのがイプシロンで、なるべく機動性豊かにそういう小型衛星のニーズに応えていきましょう。あるいは小型衛星の世界をどんどん開いていきましょう。そういうことをイプシロンで考えているんですね。 で、もうちょっと具体的にお話ししようとすると、ここの2行に書いてあるんですけども、1つ目は先ほどお話ししましたとおり、これまでのロケット開発っていうのは、どっちかっていうと機体中心で物事が進んでいたと。で、イプシロンはちょっと考え方変えて、機体だけではなくて設備と運用。設備っていうのはもちろんロケットを組み立てたり、点検したり、打ち上げたりっていう、そういった作業に必要な設備とか装置を表している。それから運用っていうのは、そういった作業をするための人手とか時間ですね。こういったもの、機体だけではなくて設備と運用を含めた、この3点セットをわれわれは打ち上げシステムと呼んでるんですね。で、イプシロンは機体だけではなくて、この打ち上げシステム全体を最適化して、コンパクトにして、ロケットがなるべく簡単に打ち上がるような仕組みを作ろうとしているわけですね。