どうなる?井岡一翔の大晦日タトゥー問題…意図的ではなかったがJBCは週明けにも処分決定
実際、海外のリングではタトゥーは問題にはならない。6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)やパウンド・フォー・パウンド1位に評価されている4階級制覇のスーパースター、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)もタトゥーを入れて世界戦を戦っている。またJBCでは海外から日本のリングに上がるボクサーに関しては、この86条を適用していない。2019年にラグビーのワールドカップが日本で開催された際にも議論になったが、海外ではタトゥーには、文化的、宗教的な意味合いがあり、そもそもの認識が大きく異なる。JBCでは、その国民性の違いをも考慮して、入れ墨、タトゥーのある外国人ボクサーが日本のリングに上がることは寛容に受け入れている。 現在、若い世代ではタトゥーがファッションとして認知されつつもあり、「今の時代にタトゥーの禁止は、もう古いのでは?」との意見もある。しかし、JBC側は、「入れ墨とファッションとしてのタトゥーの線引きは難しく、反社会的勢力の象徴としてのイメージは今なお消えておらず、ボクシングという競技の特性上、暴力行為とも結びつけられやすい。テレビでも放映されるプロスポーツとしての影響力を考えるとボクシング界は、まだ厳しいルールを持っておかねばならない」との姿勢だ。 井岡は2018年9月にJBCルールに縛られない米国のリングでマックウィリアムズ・アローヨ(プエルトリコ)と1年5か月ぶりの再起戦を戦う際に、決意と覚悟を示す証としてタトゥーを入れ始めた。今回は、家族と共に戦う意味も込めて長男の名前も入れた。だが、今後は日本のリングで戦う限り、社会的影響力の大きい日本人初の4階級制覇王者として「人格、品格も含めた本当の格の違い」を見せるためにもJBCが定めたルールを厳格に守ることに細心の注意を払う必要はある。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)