【弁護士解説】 過去には逮捕や巨額な請求も…急増“迷惑撮り鉄”にどう対応?
鳥取県にある、JR伯備線の沿線で多くの人が撮影していたのは、国鉄時代の色に塗り替えられたJR西日本の特急「やくも」。 【写真15枚】急増する“迷惑撮り鉄” 被害の現場を取材 の写真を見る 大半の人がマナーを守っているものの、問題になっていたのが一部の“迷惑撮り鉄”です。 ディレクター: 駅にある張り紙なんですが「列車撮影者の方へ その行為、違反かも」と注意事項が色々と書かれていますね。 近隣の住民は… 近隣住民: 困るのはゴミ捨てたりする。パンを食べたりジュース飲んだり空き缶捨てたりする。 近隣住民: 雨が降っているときに来られると、ここが土ですから穴が開くんですよ。 さらに、こんな声も… 近隣住民: チェンソーかなんか持ってきて、こう(木を切られた)。 有名な撮影スポットの前にあった私有地の柿の木が2022年、何者かに切られたといいます。 一方、栃木県、矢板市では、30人ほどの人たちが、脚立や三脚を置き、カメラを構えていました。 午後6時過ぎ、寝台特急カシオペアが通過。 実はこの場所、2023年6月、3人組が線路内に侵入し、カシオペアが緊急停止する事態に…。 この行為について、鉄道ファンからは…。 鉄道ファン: 一緒くたに“鉄道ファン”っていう形で、言ってほしくない。 鉄道ファン: そこまでしてまで撮っても、どうなのかなと思う。 地元からは、こんな声も…。 地元住民: 無断駐車しちゃって、お巡りさんが巡回しに来ていたりもしていましたね。 時に、鉄道の運行に影響が出て、住民とトラブルになることもある一部の“迷惑撮り鉄”。度々問題になる撮り鉄の迷惑行為はもっと厳しく対応することはできないのでしょうか? 弁護士・弁護士ドットコム代表取締役社長の元榮太一郎さんに解説していただきました。
“撮り鉄”の迷惑行為、どんな罪になる?
一部の“撮り鉄”による迷惑行為。どんな罪に問われるのでしょうか? <無断で線路に立ち入り> 「鉄道営業法違反」…1万円未満の科料 <列車の往来に危険を生じさせる> 「往来危険罪」2年以上の有期懲役、「過失往来危険罪」30万円以下の罰金 <駅員の制止を無視や、遅延や運休を生じさせる> 「威力業務妨害罪」3年以下の懲役・50万円以下の罰金 ――無断で線路に入った際の「鉄道営業法違反」は「1万円未満の科料」。 すごく危険な行為にも関わらず罰則が軽くないでしょうか? 弁護士・弁護士ドットコム代表取締役社長 元榮太一郎氏: 電車の運行を妨害したり、危険を生じさせた場合は「往来危険罪」、「威力業務妨害罪」が成立するので重たく処罰されます。 ただ、確かに「鉄道営業法違反」、無断立ち入りだけだと1万円未満の科料となる。 これは1948年にできたもの。当時と物価も違いますし、今回のように無断立ち入りが頻発するようだと、これは厳罰化について議論する必要性も出てくる。 少し間違えると、「往来危険罪」、「威力業務妨害罪」という重たい犯罪になるというところも注意しないといけない。