使命は環境保全と子育て支援。キッズリユース『ふくちゃんリユスタ』が見る社会の未来像
――そのほか、ジェンダー平等の実現と働きがいの観点から、多くのパート社員が子育て中の女性であると伺いました。職場環境にはどのような配慮がなされているのですか? 店舗で働くパート社員には子育て中の方が多く、やむを得ない欠勤や早退が発生することがあります。しかし、当社ではそうした事態を柔軟に受け入れられる職場環境です。例えば、急な欠勤が出た際に代わりのスタッフを探す負担をかけることはなく、あらかじめスタッフを多めに配置し、職場全体でカバーできる体制を整えています。人件費はかさみますが、スタッフ一人ひとりが安心して働ける環境が大切です。 こうした職場環境には、互いの事情を理解し合える風土が大切です。 『ふくちゃんリユスタ』では、月に1度パート社員も含めた全員で食事会を実施しています。お子さんの参加も歓迎しており、子ども同士が遊んだり、スタッフ同士で子どもの面倒を見合ったりと、家族ぐるみの付き合いが自然に生まれています。このように、互いの子どもの顔を知っているからこそ、助け合える環境が築かれました。 そして、キッズリユース事業だからこそ、お客さまのみならず子育て中のスタッフの声が必要です。CVC制度からスタートしている私たちの事業は、常にスタッフの声を取り入れ、新たな挑戦ができる環境でなければなりません。スタッフ一人ひとりの意見や提案が、最終的に事業の“色”になっていくと考えるからです。
――最後に、今後の展望についてお聞かせください。 キッズリユース文化を根付かせるため、今後の出店計画としては、年に2店舗以上を目指しています。リユース事業は採算を合わせるのが難しい事業ですが、このサービスは社会から永続的に求められるものであり、なくしてはなりません。今後は、ビジネスとしてさらに加速させることが最大のミッションです。 そして、社会課題にも全力で取り組んでいきたいと思っています。無駄な消費や廃棄物を減らすことはもちろん、リユース商品は新しい商品に比べて手ごろな価格で提供できるため、結果的に子育て費用の削減にもつながるのではないでしょうか。目指すのは「子育てといえばリユスタだよね!」と、お客さまのファーストチョイスになるサービスになること。将来的には家庭のクローゼットの8割以上がリユース商品で埋まるような社会をつくりたいという大きな夢を持っています。 キッズリユース商品は、家族の思い出が詰まっているもの――。だからこそ、私たちは“想いをつなぐ”を理念に掲げ、大切な価値をつないでまいります。
写真:小笠原 大介