日本経済復活に「余計なことはするな」…“為替介入の司令塔”神田前財務官に直撃!【独自インタビュー】
“歴史的円安”の対応の陣頭指揮を執ってきた財務省の神田財務官が7月末で退任しました。それに先立ち、日本テレビが単独インタビュー。低迷が続く日本経済の復活の“カギ”についても明かしました。「余計なことはするな」「健全な危機感を」など独自の“発言”の数々。インタビュー「全文」を公開します。 【動画】「歴史的円安」に対応指揮 神田前財務官 為替介入への“本音”
■「数百年に1度の大変容」で「徹夜続き」の財務官生活…3年間の“成果”は?
◇7月31日で退任ということになるが、歴史的な円安の対応に奔走された在任期間だった。振り返りは? ーーー私の認識は、数百年に一度とも言えるぐらいの歴史的な大変容のもとで、あと珍しいんですが、21年に一度しか起こらない、G7とASEANプラス3の両方の議長国にあたりまして、実に様々な課題に追われた3年間でした。 今おっしゃった「為替」っていうのは、私の全体の仕事では1割未満でして、どちらかというと、伝統的な金融安定、あるいは債務問題みたいな話から、最近では、戦争を含む地政学への対応、こういったもので徹夜が続くような毎日でした。 この時期は振り返ってみますと、大きな流れとして、デジタル化で世界が大きく不安定化、変容を起こしているところで、新型コロナが勃発して、そしてまた、新型コロナ自身というよりも、新型コロナへの政策対応の副作用といいますか、後遺症で、高インフレとか、あるいはサプライチェーンの断絶みたいなのがあって、みんなで悩んでいたところで、まさにロシアが不法な侵略をウクライナに対して行った。 さらには、去年の秋ですけれども、中東の導火線に火がついて、昨日(7月29日)、今日(7月30日)も、また新たなエスカレーションが行われていて、やはり非常に厳しいといいますか、危機的な状況が続いたと思っています。 それから、もう少し長い課題として、気候変動=クライメイトチェンジから、感染症、国際課税まで、世界を取り巻く様々な、いわゆる地球規模問題の解決、これは、やはり途上国も含めた世界規模で解決していかなきゃいけない、協調しなければ解決できないもので、こういったものに、どうやったら日本が主導して、国際貢献できるのかということにも努めてきました。 例えば(日本が)議長を務めたG7では、ウクライナ支援、ロシア制裁、それからサプライチェーン強靭化、国際保健、経済デジタル化、幅広い課題について議論をリードしましたし、あとスリランカの債務再編交渉、それから国際課税制度改革から、MDB=国際開発金融機関ですね、それからIMF(=国際通貨基金)の強化、日本がリーダーシップをとってきた分野、本当に多岐にわたって、皆さんのご尽力もあって、かなりの成果を出したと思っております。